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CL準決勝目前、内田篤人は絶好調!!
“マンUキラー”ラウールにも注目。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byBongarts/Getty Images
posted2011/04/25 12:20
欧州CL準決勝初戦への抱負を聞かれた内田がひと言。「相手は同じサッカー選手。ピカチュウがいるわけじゃない」
ヨーロッパの舞台で戦うクラブに対しては無条件で声援を送るのがドイツ人だ。チャンピオンズリーグ準決勝の舞台にはじめて駒を進めたシャルケに対しても好意的なまなざしが向けられている。
シャルケのライバルのお膝元・ドルトムントに拠点を置く『ルール・ナハリヒテン』紙が行なったアンケートでさえ、75%の人がシャルケの決勝進出を予想したほどだ。
マンチェスター・ユナイテッドは「CLの決勝トーナメントではドイツ勢に4戦全敗だ(一発勝負の決勝戦を除く)」と喧伝するのはケルンに本社がある『エクスプレス』紙だし、民放で中継を務める『Sat.1』はシャルケが準決勝進出を決めた試合で「(決勝戦の会場で、ロンドンにある)ウェンブリーが呼んでいる! ロンドンが呼んでいる!」と興奮気味に伝えた。
慎重なコメントに終始するシャルケの選手たちとは異なり、ドイツメディアやファンは決勝進出を信じているようだ。
準決勝は、明日(現地時間で26日夜)シャルケのホーム、アレーナ・アウフ・シャルケで幕を開ける。
今季のCLにおいて、シャルケはホームゲームで5戦全勝と無敵の強さを誇り、対するマンUはアウェイゲームでは無失点。さらに4勝1分の成績を残している。
1stレグはどちらのチームに転がってもおかしくない。
「マンUの鍵は、中盤の4人が握っている」
4月19日の火曜日、ウィークデーに行われたニューカッスル対マンUを、コーチのギスドル氏とともに現地で観戦したシャルケのラングニック監督は、どのような手を打ってくるのだろうか。
今から約1年前、「教授」と呼ばれるラングニック監督は、『ran』誌上でマンUを含む、CLに参加する強豪チームの分析を行なった。FWヘルナンデスの加入前とはいえ、参考になりそうな資料なので、以下にその一部を紹介する。
「マンチェスター・ユナイテッドの鍵は、中盤の4人が握っている。中盤には、中央に守備が強い選手が2人、サイドに攻撃が強い選手が2人。もっとも、サイドに置かれた攻撃的な選手たちの守備の負担を免除されることはない。むしろ、その逆だ。そのおかげで、DFの4人とともに2つのラインを作り、自陣のペナルティエリアの前に立ちはだかることが出来るのだ。
DFとMFによる“8人の壁”は、ともすると受け身の姿勢で相手を待ち受け、自陣に誘い込む。積極的に前線から守備をしたり、ボールホルダーに対してプレッシャーをかけにいくことはない。そのために相手チームが自陣に入ってくるのだが、DFラインの前には守備が強い選手が2人もいて、相手は攻めあぐんだり、パスミスをおかしてしまうのだ。
また、きれいに並んだDFとMFの2つラインが、非常にうまく連係をとっている。結局のところ、相手FWは裏を狙うことも、くさびで受けることもあきらめないといけないのだ」