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MAX134kmしか出ずバスケ転向も考えた「NPBで一番背の高い男」ゲレーロの“数奇な運命”「試合結果をいつも見ていた」ロッテに3年ぶり復帰で目指す夢
posted2025/04/18 06:02

3年ぶりにロッテに復帰したゲレーロ
text by

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
Chiba Lotte Marines
「NPBでもっとも背の高い男」マリーンズのタイロン・ゲレーロ投手。今年のプロフィールではその身長は「2メートル3センチ」となっている。ただ、本人に問うと「また、ちょっと伸びたかな。正式には2メートル7センチだ」と茶目っ気たっぷりに笑う。
そういえば「オレは2メートル6センチだ」とメディアに豪語していた時期もあった。あだ名は「ヒガンテ」。スペイン語で巨人の意味がある。東京ドームで行われた3月のオープン戦では日本人選手で最も身長の高いとされるジャイアンツ秋広優人内野手と練習前に身長を比べ、自分の方が大きい事を確信すると不敵な笑みを浮かべていた。
ゲレーロは胸を張る。
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「子供の頃から大きかったね。いつ2mを越したかは残念ながら記憶にない。ただ同世代で自分より背が高い人とは会ったことがない。出身の島でも自分が一番大きかった。どんな組織に属している時でも自分が一番大きいのは間違いない」
駆け出し時の平均球速は120km台
長身から繰り出すストレートは160kmを優に超える。自己最速は167km。今シーズンは、ここまでは162kmをマークしているが、「まだ寒いからね。暖かくなるともっともっとスピードは上がると思うよ」と自信満々だ。
そんなゲレーロだが、プロ契約をした時には、スピードボールを投げることが出来なかった。2010年にパドレスと契約を交わした時にはMAX134km。平均球速は120km台だった。出身のコロンビアは、どちらかというと野球よりサッカーが盛んな国。ゲレーロもサッカーを楽しんだ時期があった。背が高い事もありゴールキーパーを任されることも多かった。だから細かい指導を受ける機会がないままプロに入った。
「野球は好きだったけど、ほぼ野球の練習はやっていなかった」
当時は粗削りな素材の一人にすぎなかった。