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MAX134kmしか出ずバスケ転向も考えた「NPBで一番背の高い男」ゲレーロの“数奇な運命”「試合結果をいつも見ていた」ロッテに3年ぶり復帰で目指す夢
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/04/18 06:02

3年ぶりにロッテに復帰したゲレーロ
朗希からバトンを受けた「初セーブ」
マイアミの自宅に飾られている宝物がある。22年にプロ初セーブを挙げた時のボールだ。22年5月13日、京セラドームでのバファローズ戦。この日の先発は現在、ドジャースに在籍をしている佐々木朗希投手だった。この年の4月10日にパーフェクトゲームを達成した男が4勝目を挙げた試合の最後を締めた。
「彼とも本当に仲良かった。いい関係を築いていていつもふざけあっていた。ウイニングボールは勝ち投手がもらうことが多いけど、来日初セーブということで、ボクにくれた。彼と共に勝利に貢献できたことは誇り。そしてウイニングボールは宝物だよ」
佐々木朗希はゲレーロが帰国する際に自身のグラブをプレゼントをしてくれた。ウイニングボールと共にそのグラブもマイアミの自宅に大事に飾っている。ゲレーロは今シーズンからメジャーに挑戦をした友の活躍を願い、一緒にプレーできたことを誇りとしている。
「チャンピオンになりたい」
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「2回目の日本。寒い時期の過ごし方も知っているし、日本の暑い夏も知っている。日本は大好きだから、ここで活躍をしてずっといたいと思っている。そして大好きなマリーンズでこの仲間たちとチャンピオンになりたい」
4月5日のイーグルス戦(ZOZOマリンスタジアム)では9回からマウンドに上がって無失点に抑え、今季初セーブを挙げた。長身から繰り出される角度あるストレートは圧巻だった。豪速球がコーナーに決まる。さらに精度の高いスライダーとスプリット。打者はお手上げ状態だった。
プロ入りした時、ストレートは平均で120km台だった。もしかしたらバスケットボール選手になっていたかもしれない。それでも数奇な縁に導かれながら野球を続けた。そして再び進化した姿で日本の地を踏み、大好きなチームメートと優勝を目指す。それが運命だとゲレーロは信じている。
