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「数はすごいけど、質となると…」キャンプで予見されていた? ソフトバンク「異変のワケ」…防御率“12球団ワースト”の惨状を救う救世主はいるか 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph byJIJI PRESS

posted2025/04/11 11:01

「数はすごいけど、質となると…」キャンプで予見されていた? ソフトバンク「異変のワケ」…防御率“12球団ワースト”の惨状を救う救世主はいるか<Number Web> photograph by JIJI PRESS

まさかの下位に沈んでいるソフトバンクで、課題となる投手陣を救える「ニューフェイス」は誰なのだろうか?

 昨年・春の宮崎キャンプのブルペン。

 長身から豪快に投げ下ろす速球の生命力が、まずこの目に飛び込んできた。ミットに突き刺さる瞬間の捕球音が精悍だった。

 それ以上に、目を奪われたのが、投げ込んでいく時の「表情」だ。コーチが何人も見ている中でのピッチングなのに、過剰な緊張や萎縮がどこにも見えない。投げるのが嬉しい!投げたボールが快音をあげるのが、もっと嬉しい!「ナイスボール!」の捕手の称賛に、「ありがとうございます!」といちいち応える声が弾んでいる。

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 こんな気持ちの良いピッチング練習を繰り返す投手は彼だけだったから、キャンプ中にも取り上げて、記事にさせていただいた。

 その通り、すくすくと成長して、昨季のウエスタンリーグでは10勝(4敗・防御率1.95)を挙げて、今季、一軍投手陣の一角に食い込んだことを心から祝福したい。

「W前田」覚醒で浮上なるか?

 そんな「兄貴」に、弟分の前田悠伍投手が、今季どこまで追走し、追いつき、追い越せるのか。

 立派なプログラムはあるとして、人の「旬」がやって来るのは、たいていは唐突なものだ。そこを見逃したり、見て見ぬふりをするのは、あまりにも勿体ない。

 若い人の細かいあれこれを心配していたら、きりがないだろう。

 良いと思ったら、若い人は使っちゃえばいいのだ。

 少々きつい言葉になって恐縮だが、そんな「一条」が、育成プログラムの中の「裏メニュー」としてあっても、私は良いと思う。

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ソフトバンクの異変…まさかの防御率“12球団最下位”の衝撃「彼くらいしかいないんじゃないですか…」関係者がこぼした「救世主候補」とは?

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