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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「数はすごいけど、質となると…」キャンプで予見されていた? ソフトバンク「異変のワケ」…防御率“12球団ワースト”の惨状を救う救世主はいるか
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2025/04/11 11:01

まさかの下位に沈んでいるソフトバンクで、課題となる投手陣を救える「ニューフェイス」は誰なのだろうか?
ちょっとネガティブな印象を語ってくれた後で挙げてくれた名前に、私も大共感だった。
「彼ぐらいじゃないですかねぇ……」
なおもネガティブな口ぶりだったが、それでも、1人だけ挙げたのだから確信があったはずだ。
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前田悠伍投手(19歳・179cm80kg・左投左打)。大阪桐蔭高からドラフト1位で入団した今季2年目のサウスポーだ。
他球団関係者も「なんで使わないんですかね」
やっぱり、前田だったか……そう思った方も多いだろう。それぐらいの「実力者」である。
「なんで使わないんですかね。ウチは即戦力の評価だったらしいですよ、高校生でもね。もったいないですよね」
そこまで言い添えてくださった。
近未来の左腕エースとして、球団の設定した「特別育成プログラム」に則って、1年目から英才教育されていると聞いたことがある。
1年目の昨季は、ウエスタンリーグで12試合投げて4勝1敗。65イニングで54安打58奪三振の防御率1.94なら、上出来、上出来。四死球たったの8という制球力は、緊張のルーキーイヤーからプロのストライクゾーンにもいち早くなじんだということだ。
シーズン終盤の「一軍体験登板」では3イニングで6失点と痛い目にも遭っており、もしかしたら、これすら「プログラム」の中に想定されていたキャリアの一端だったとしたら……。
ファームでの成功体験と、一軍での登板であぶり出された2年目への課題。まずは、文句のつけようのないプロ野球生活の立ち上げだった。