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「エンドウは今夏移籍すべき」vs「エンドウは残留して」英国人記者が意見対立、リバプール遠藤航32歳…「“スタメン落ち”でもエンドウ人気は高い」 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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posted2025/04/10 17:05

「エンドウは今夏移籍すべき」vs「エンドウは残留して」英国人記者が意見対立、リバプール遠藤航32歳…「“スタメン落ち”でもエンドウ人気は高い」<Number Web> photograph by AFLO

スロット監督と遠藤航32歳。リバプールはプレミアリーグ優勝が近づくが、遠藤はスタメン落ちが続く

 抜群のキープ力を誇るフラーフェンベルフには、中盤で敵を背負った状態から前を向き、さらにドリブルでボールを前方に運べるというストロングポイントがある。英紙タイムズは「ドリブルで数的優位を作る点で、フラーフェンベルフは典型的な守備的ミッドフィールダーと一線を画す。この独自のスキルがスロット体制の戦術的な柔軟性を高めており、守備から攻撃へのスムーズなトランジションを可能にしている」と高く評価している。

 対する遠藤はベンチを温める試合が増えたが、シーズンが進むにつれて「クローザー」として存在価値を高めてきた。ピッチで際立っているのは「1対1での対人守備」や「試合の流れを的確に読んだ動き」、「カバーリングの上手さ」。自軍リード時の後半途中にピッチに入って、勝利に導くという意味で「エンドウ・カード」と地元メディアで表現されているように、堅固な守備でチームの勝利に貢献している。

 特筆すべきは、2月23日に行われたマンチェスター・C戦。73分から途中交代で入ると、突破力抜群のジェレミー・ドクを潰して存在感を示した。2日のエバートン戦も出場時間こそ短かったが、同様の役割をこなした。

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 またCBに怪我人が出ると、優れたユーティリティ性を生かして、最終ライン中央で欠場者の穴を埋めた。

 なかでも、「偽CB」の役割を務めたリーグ杯準々決勝のサウサンプトン戦(12月18日)の出来は秀逸だった。遠藤はチームのボール保持時に最終ラインから中盤にひとつポジションを押し上げ、パスワークに参加するという難しい仕事をやってのけた。

「偽CB」は、ユース時代にボランチ経験のあるイングランド代表CBジョン・ストーンズが、マンチェスター・Cの2022−23シーズンに実践したことで注目を集めた新しい役割だ。世界最高峰のプレミアリーグでも、ごく限られた選手しかできない難易度の高いタスクである。

“残留派”の番記者「エンドウ人気は高まっている」

 そんな遠藤について、地元のジャーナリストはどう見ているのか。スポーツサイトの『ジ・アスレティック』でリバプール番を務めるジェームズ・ピアース記者は、今季の遠藤について次のように評した。

「今シーズンのエンドウは公式戦で27試合に出場しているが、そのうち途中出場は21試合。先発は6試合しかなく、プレミアリーグでの先発は1度もない。エンドウの希望ほど試合に出場できておらず、クロップ体制の主力として稼働した昨シーズン後半戦と比べると先発数は大幅に下落している。

 だが、ファンの間でエンドウの人気はむしろ高まっているんだ。どんな状況に置かれても、クラブのためにハードワークを惜しまず、身を粉にして働いているからだ。

【次ページ】 「ミルナーのようになって欲しい」

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