欧州サッカーPRESSBACK NUMBER

「脱ぐと筋骨隆々な肉体で」「ゴールで響く“タクマ・アサノ”コール」日本代表未招集も…カメラマンが見たFW浅野拓磨のマジョルカで愛される姿

posted2025/03/30 11:02

 
「脱ぐと筋骨隆々な肉体で」「ゴールで響く“タクマ・アサノ”コール」日本代表未招集も…カメラマンが見たFW浅野拓磨のマジョルカで愛される姿<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

Aマッチウィーク前のリーガで今季2ゴール目をマークした浅野拓磨。日本代表にこそ未招集だったが調子を上げている

text by

中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

PROFILE

photograph by

Daisuke Nakashima

 サッカー日本代表が8大会連続のW杯出場を決めた日から時を戻し――3月15日、リーガ28節RCD マジョルカ対RCDエスパニョール戦。先発出場したマジョルカ浅野拓磨は、ダイビングヘッドで値千金の同点ゴールを奪った。

 試合終了間際、97分のPKによって2-1でホームのマジョルカが劇的な勝利を収めたこの試合、ゴール後のシーンを筆頭に大きな〈Takuma Asano〉コールがスタジアムに響き渡った。

浅野へのメッセージを掲げるファンも

 浅野はW杯アジア最終予選には招集こそされなかったが、怪我からの復帰以降は徐々にチーム内序列を高めて先発出場を増やすと、3月2日のアラベス戦でリーガ初ゴールとなる弾丸ボレー、そしてこの日のゴールと調子を上げている。現在7位と来季欧州カップ出場権も狙える好調のチームとともに、ゴールを増やしていければ自ずと代表復帰も近づくか。この試合の撮影取材のためマジョルカ島を訪れた。

ADVERTISEMENT

 バルセロナからの飛行機は1時間もかからず、地中海に浮かぶ島に到着する。

 エスパニョールの本拠地がバルセロナということもあり、数十名のユニホーム姿のサポーターと共にスタジアムへ向かった。話を聞いてみると「今日はサッカーを見るだけ。日帰りで十分、まだ海は入れないしね」とのこと。チケットも往復で100ユーロほどで、円換算すると1万6000円前後だが、彼らの感覚としては1万円ほどだろう。

 風が冷たく肌寒いが、日差しは暖かく心地よい。土曜日の16時15分開催とあり、スタジアム周りでは多くのサポーターがビールを飲み、音楽に体を揺らしていた。またスタジアム内では、その数こそ多く見つけることはできなかったが、浅野に向けたメッセージを掲げるファンの姿も。

 右サイドにポジションを取った浅野は、キックオフ早々に混戦からチャンスを創出していく。その際には、「Vamos Asano(行け、浅野)」とゴール裏サポータ席が沸く様子も。

楽しんでいるようにプレー…ゴール後には熱い祝福が

 一進一退の攻防が続く中で――浅野は守備時には、4-4-2のサイドハーフとして自陣深くまで戻るシーンも増え、また攻撃時には、単純に浅野の快足を活かしたプレーモデルではないためか、浅野の欲しいタイミング、出し手のタイミングが噛み合わず無駄走りになるシーンも多かった。それでも俊足を活かした抜け出しからシュートを放つと、ゴールを奪うことこそできないものの、叫ぶように悔しさを表すと共に笑みを浮かべ、自身の好調さを感じながら純粋にプレーを楽しんでいることが伝わってきた。

【次ページ】 ヨーロッパ戦線圏内へ浅野の働きは大きかった

1 2 3 NEXT
#浅野拓磨
#マジョルカ
#エスパニョール

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ