2024年M-1・連続インタビューBACK NUMBER
「あ、やばいやばい。オレ泣いてる」M-1・4位エバースが明かす、準々決勝前日の“ひとり号泣”…「ダイタクさんの名前って、出してもいいんですか?」
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byTadashi Hosoda
posted2025/03/23 11:05

結成8年、初のM-1決勝で4位になったエバース。佐々木隆史(ボケ、ネタ作り担当、左)と町田和樹(ツッコミ担当)
佐々木 当時は技術的にも未熟なところがあって、ネタはおもしろいんだけど、それを十分に生かし切れていなかったんだと思います。
町田 バキバキに緊張していましたしね。
――今大会の準々決勝はどうでしたか? 10月にNHK新人お笑い大賞で優勝した直後ということもあり、今年のエバースはさすがに決勝まで行くだろうという雰囲気の中、重圧もあったかと思うのですが。
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町田 (決勝に)行けなかったら、やばいなみたいな感覚はありましたね。
佐々木 僕は準々決勝の前日、仕事の帰り道で気づいたら泣いていました。あ、やばいやばい、こんなに泣いてる、みたいな感じで。御茶ノ水駅まで音楽を聴きながら歩いていたんですけど、緊張とプレッシャーで、たぶん情緒がおかしくなっていたんだと思います。
――何を聴いていたんですか?
佐々木 エレカシだった気がしますけど。『今宵の月のように』かな。
「ダイタクさんの名前、出しても大丈夫ですか?」
――この前、令和ロマンのくるまさんが今のM-1は準々決勝がいちばんピリつくという話をしていました。そこさえ抜ければ、決勝へ行けなくても敗者復活戦は全国ネットで放送されますから。M-1ツアーもあって食えるようになる、と。
佐々木 それもありますし、準々から準決って、けっこう絞られるじゃないですか。準々は120から130組ぐらいいるのかな(2024年は132組)。
町田 そこから30組まで一気に絞られる。
佐々木 ウケても落ちる感じは、準々がいちばんある気がします。僕らはもともとテンパリ癖があるんで、準々もそうでしたけど、準決もかなり緊張しましたね。
――準決勝の手応えはどうだったんですか。
佐々木 確実に行ったな、という感覚ではなかったです。呼ばれるだろうと思いつつ、いや、呼ばれない可能性もあるか? という絶妙なライン。なので、名前を呼ばれたときは「危ねえ、行けた……」くらいの感じでした。
――準決勝の日、ネタが終わって、結果発表まで2時間ぐらい空きますけど、その時間はどうやって過ごしていたんですか。