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「あ、やばいやばい。オレ泣いてる」M-1・4位エバースが明かす、準々決勝前日の“ひとり号泣”…「ダイタクさんの名前って、出してもいいんですか?」
posted2025/03/23 11:05

結成8年、初のM-1決勝で4位になったエバース。佐々木隆史(ボケ、ネタ作り担当、左)と町田和樹(ツッコミ担当)
text by

中村計Kei Nakamura
photograph by
Tadashi Hosoda
◆◆◆
――今大会、準々決勝あるいは準決勝で披露したネタを決勝でやらなかったのはエバースだけでした。それなりの決断だったと思うのですが、どういう経緯があったのでしょうか。
佐々木 去年はABC(お笑いグランプリ)とか、NHK(新人お笑い大賞)とか、ツギクル(芸人グランプリ)とか、他の賞レースもほとんど決勝に行って。とにかくネタの消費が激しい1年だったんです。けど、M-1の準々、準決でやったネタはM-1用に取っておいたんです。改良すれば、いちばん強いネタになるくらいの自信があったんで。
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――今後、どこで使うかわからないので内容までは深く踏み込みませんが、あのネタは、なんと呼べばいいのですか?
佐々木 まあ、『棺桶』ですかね。準々、準決もいい感じでウケたんですけど、ただ、決勝でやったら、中途半端な順位で終わりそうな気がしたんですよね。感覚的なものなんですけど。5位、6位、7位とかになっちゃうんじゃないか、って。M-1って、本来そんなルールはないんですけど、予選ではその年に作ったネタでやらなきゃいけないみたいな雰囲気があるじゃないですか。暗黙の了解事項というか。
「あ、やばいやばい。こんなに泣いてる」
――審査員は割と、そこを見ている気はしますよね。
町田 過去の予選でかけたネタをまたやると、この1年間、何をしてたの? みたいな見られ方をしてしまうというか。
佐々木 ただ、もう決勝になったら関係ないじゃないですか。決勝の審査員の方々は、そこまで僕らのネタを知っているわけでもないですし。それで準決勝のあと、ルミネ(theよしもと)で、けっこうお客さんが入っているときに久々に『桜の木の下』をやったんです。そうしたら、思いのほかウケて。こっちの方がいいんじゃないかっていう感じになったんです。
――学生時代の初恋の人と、15年後の今日、桜の木の下で再会しようと約束をしたというネタですよね。2年前のM-1の準々決勝でもかけたネタでした。ただ、2年前はその準々決勝で敗れています。