2024年M-1・連続インタビューBACK NUMBER
「芸人の給料は月数万円、1ステージ2000円でした」吉本芸人ジョックロックが語る“M-1ドリーム”「家賃7万円の家に引越し」「600円の生ビール飲んでます」
posted2025/03/09 11:02

結成2年半でM-1決勝初出場となったジョックロック。福本ユウショウ(ツッコミ、ネタ作り担当、左)とゆうじろー(ボケ担当)
text by

中村計Kei Nakamura
photograph by
Tadashi Hosoda
◆◆◆
「えっ、9位なの?」と言われます
――改めて今回の9位という結果は、どう受け止めているのでしょうか。
福本 令和ロマンが大会のストーリーを全部つくってくれたという感じがしていますね。何年か前のM-1で芸人同士が「最高の大会にしような」「おお!」みたいなシーンがあって。これから戦うのに、なんでそんなこと言ってんねんと思ったんですけど、その気持ち、めっちゃわかったというか。大会自体が盛り上がって欲しいなというのはめちゃくちゃ思ったんで。僕らの見え方も、それに左右されるじゃないですか。
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ゆうじろー 9位でしたけど、令和ロマンさんを中心に大会自体が盛り上がったんで、僕らも「えっ、9位なの?」みたいなことを言われることが多いんですよ。それはよかったなと思います。全組おもしろかった、と言われるんで。
福本 損をした人がいない大会やったなと思うんで、それがうれしかったです。でも次は優勝やな、と思いましたね。
――一度、決勝に出ることは有利と不利、両方あると思うんです。見方を覚えてもらえる反面、鮮度は下がるし、そのぶんハードルが上がる。そのあたりは、どう考えているのですか。
福本 1回顔見せができたし、わかりやすい宿題ももらえた。こいつでウケを取れるようになったら、明らかに伸びたってなるんで、そこはメリットの方が大きいと思います。僕らのネタはM-1、ど真ん中のネタでもありますし。
――それはどういう意味ですか。
福本 わかりやすい笑いで、短時間で笑いをとっていく。あのスタイルでは15分は持たない。短期決戦用のスプリント漫才なんです。
――M-1に照準を合わせた駆け抜けるネタなわけですね。
福本 駆け抜け用です。M-1は競技漫才化し過ぎてるみたいな、批判的な目を向ける人もいますけど、競技漫才は競技漫才でおもしろいんで。そこは棲み分けやと思います。10分、15分と、ずっと見ていられる漫才とM-1の漫才は別の演芸というか。なんで競技漫才は競技漫才でどんどん進化していくと思いますし、僕はそれが見てみたいんですけどね。
「1ステ2000円、芸人の給料は月数万円でした」
――今年の2月から始まった『M-1グランプリ2024スペシャルツアー』全23公演日、フル参戦するのはジョックロックだけだと聞きましたが。