酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「静岡から名古屋、広島でも大阪でもバス」昨季は“28勝84敗”ファーム球団、新監督が語る2年目の実情…ドラフト指名漏れウエスタン盗塁王も在籍
posted2025/03/08 17:00

くふうハヤテを率いる赤堀元之監督。静岡出身の名選手はファーム球団をどう構築しようとしているか
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kou Hiroo
昨年、プロ野球には新たなチームが2つ参加した。イースタン・リーグにはオイシックス新潟アルビレックスBC、ウエスタン・リーグにはくふうハヤテベンチャーズ静岡。ともに、NPBに加盟したのではなく、リーグ戦に参加する形ではあるが、それでもNPB球団のファームと共に140試合を戦い抜いた(各リーグ戦の成績はオイシックス41勝79敗6分、くふうハヤテ28勝84敗8分)。そんな2年目のシーズンを迎える両チームの春季キャンプを取材した。
昨季28勝84敗8分から…「今年は強くなってますよ!」
プロ野球12球団は宮崎県、沖縄県などでキャンプを張っているが、くふうハヤテは本拠地静岡市清水のちゅ~るスタジアム清水、オイシックス新潟は静岡県伊豆市の志太スタジアムでキャンプを張っている。
2月18日、ちゅ~るスタジアム清水では、くふうハヤテとオイシックス新潟のオープン戦が行われた。昨年の公式戦では対戦がなく(開幕前のオープン戦は雨天中止)、今年、初顔合わせが実現した。
ADVERTISEMENT
第2戦の試合前(16日の初戦は、6−4でくふうハヤテが逆転勝利)に顔を合わせたくふうハヤテの池田省吾社長は「今年のうちは強くなってますよ!」と明るい声で話した。
ちゅ~るスタジアム清水は、開場前から行列ができていた。選手名を呼んで「がんばれ!」という声もかかる。1年目のくふうハヤテのユニフォームは、ヤンキースを思わせるピンストライプを基調としたデザインで野球ファンには好評だったが、選手名が入っていなかった。一方で今季は背中にローマ字で選手表記が入った。ファンからの声援が多かったのは、これも一因ではないか。
ドラフト指名漏れした“盗塁王”は2年目に
くふうハヤテからは昨年、北海道北広島市の公務員出身という変わった経歴の投手、早川大貴が育成3位で阪神に入団。また元オリックスの投手・西濱勇星がヤクルトでNPBに復帰した。一方で福田秀平(ソフトバンク→ロッテ)や藤岡好明(ソフトバンク→日本ハム→DeNA)、独立リーグ最強投手とも言われた平間凛太郎など、名のある選手が1年で退団。DeNAで正遊撃手だった倉本寿彦、ロッテの西川僚祐らも在籍する中で、今季は西武の外野手だった鈴木将平が加入している。