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“2年目ファーム球団”アドバイザーに和田一浩が「トライするしかない」「球団が存続するため…考えていきたい」オイシックス新潟への思い

posted2025/03/08 17:01

 
“2年目ファーム球団”アドバイザーに和田一浩が「トライするしかない」「球団が存続するため…考えていきたい」オイシックス新潟への思い<Number Web> photograph by Kou Hiroo

オイシックス新潟のキャンプを訪れた和田一浩氏。今季からチームのアドバイザーを務める

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広尾晃

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 プロ野球開幕が近づく中で、ファーム球団「くふうハヤテ」と「オイシックス」も調整を続けている。両チームの指揮官や今季から関わるかつての名選手などに話を聞いた。〈全3回/第3回につづく〉

 オイシックス新潟アルビレックスBCは、2024年からイースタン・リーグに参加したが、くふうハヤテとは異なり、母体は2006年に創設されたBCリーグの独立リーグ球団であり、すでに17年の球団運営の実績があった。

 チームには1年目に入団した高山俊(阪神)、陽岱鋼(日本ハム→巨人)、三上朋也(DeNA→巨人)、薮田和樹(広島)など、NPB出身選手が多数在籍している。昨季まで率いた橋上秀樹監督は、巨人のコーチに就任。今季から武田勝投手コーチが監督に就任した。

 2月18日、静岡県清水市で行われた、くふうハヤテとのオープン戦。高山は1番に座り、初回、いきなり右前に糸を引く安打を打った。

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 一方で先発の薮田は先頭打者を歩かせるなど初回から失点したが、今は「投げること」が大事なのだろう。最終回には三上が上がって無失点。このあたり、実に豪華だ。

選手は“140試合をする”ことの恐ろしさを知らなかった

 オイシックス新潟の本拠地は新潟市の「HARD OFF ECOスタジアム新潟」だが、新潟は豪雪地帯だ。春季キャンプは静岡県伊豆市の志太スタジアムを使用している。2月20日、伊豆市の山中、別荘が立ち並ぶ中にある志太スタジアムで、武田勝監督に話を聞いた。

――先日のくふうハヤテ戦の試合前は「バッピ(バッティングピッチャー)」をつとめておられましたが?

「いつもですよ。この日は途中で代わりましたけど、バッピはいつも“完投”するんです」

――監督就任はいつ、どこで聞いたのですか?

「オイシックス新潟は昨年10月、宮崎のフェニックスリーグの四国アイランドリーグ選抜チームに選手を派遣したのですが、僕もコーチとして参加しました。その期間は、オイシックスと関わることがなかったのですが、帰ってきて橋上さんの退任と監督就任の話を聞きました」

――1年目の昨年は、投手コーチでしたが、チームの戦力をどう思いましたか?

「やはり急造チームだったと思います。母体は独立リーグのチームで、そこに元NPBの選手も加わったのですが、まだ形としては成り立っていなかったと思います。選手たちは“140試合をする”ことの恐ろしさを知らなかった。独立リーグは半分強の70数試合ですからね。でも、そんな中で1年間やりきったというのは、選手たちは体力的にもしんどかったでしょうが、いい経験になったと思います」

野間口、黒羽根、伊藤隼太…経験豊富な元プロがコーチに

――投手コーチという立場で、昨年のチームをどう思っていましたか?

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