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DeNAの熱い言葉で「野球選手として再び火が灯された」阪神から現役ドラフト・浜地真澄が静かに燃やす闘志「単純に、投げる以上打たれたくない」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/02/24 11:01

2016年にドラフト4位で阪神に入団。今シーズンでプロ9年目を迎える26歳だ
過去2年間、不振だった要因のひとつは右肩の違和感によるものだった。
「ある程度は投げられるけど、ちょっと違うなといった感覚に苦しみ、コンディショニングの大切さを知りました。悪い意味で無理をしてしまったところがあったと思います。また改善しても、僕がやりたいと思う動きで投げてみるのですが、映像を見ると違っていたり、そのすり合わせが上手くいかなかった2年間でした」
よくも悪くも、いろいろ変えたくなる
大活躍した2022年の浜地といえば、制球力のある150キロを超えるストレートを武器に、カットボールなどを駆使しアウトを奪う巧みな投球術が持ち味だった。
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ただ、キャリアハイで終えた2022年のオフ、さらなる進化を目指し浜地は、フォームなどいろいろな部分に手を加えたのだという。
「僕はよくも悪くも、いろいろやりたがるというか、上手くなりたいと思ってしまうんです。22年のオフにいろいろ変えましたけど、あのとき逆に変えなかったらどうなっていたんだろうなって思うこともあります。でも、やっぱりそれじゃ僕のなかで面白くないのでべつに後悔はしていません」
現状を維持することは後退と一緒だ。浜地には常に進化したい、上手くなりたいという信念があり、向上心においては誰にも負けない意識の高さがある。
「まあ、よくも悪くもですが(苦笑)。ただ苦しんだ分、コンディショニングなどいろいろ学ぶことも多かったですし、知識も武器も増えた分、成長できた実感はあるので、トータルで見たらよかったと思っているんです」
無駄なことはひとつもなかった、と自分を納得させるように浜地は言った。
「決め球がない」という課題
この2年間、抱いていたピッチングにおける課題は明白であり、とにかく試行錯誤の日々だったという。
「ずっと『決め球がない』『三振が取れない』と言われつづけてきて、それが課題だったんですけど、じゃあ三振が取れない分どうしたらアウトが取れるのか考えてきましたし、それはすごくいい勉強になりました。とはいえ、やはり三振を取るためには“落ち球”を習得しなければいけません」