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箱根駅伝「シューズ勢力図」に異変アリ!? 絶対王者・ナイキの牙城が“8万円超え”爆速シューズで崩され…新興勢力も台頭で「戦国時代」到来!
posted2025/01/13 11:01
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph by
Yuki Suenaga
今年の箱根駅伝は青学大が10時間41分19秒の大会新記録で連覇を果たした。この11年間で8度の総合優勝。箱根駅伝の“絶対王者”という貫禄があった。
一方で“もうひとつの王者”が今大会で首位から陥落した。厚底シューズを投入して、箱根駅伝のブランド別シューズシェア率で2018年大会からトップを独走してきたナイキだ。
一強時代から戦国時代へ
2021年大会で驚異の95.7%(210人中201人)に到達したが、他社もカーボンプレート搭載シューズを続々と開発。近年はシェア率が下降していた。
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前回の2024年大会(記念大会で230人が出場)はナイキが42.6%(98人)でトップを守るも、アシックスが24.8%(57人)まで上昇。アディダスも18.3%(42人)と前年を上回った。さらにプーマが8.7%(20人)と大躍進している。他にもミズノ(5人)、オン(3人)、ホカ(2人)、ニューバランス(1人)、アンダーアーマー(1人)、ブルックス(1人)がいて、過去最多となる10ブランドが新春の舞台を駆け抜けた(※データはアルペングループ調べ)。
今大会(210人が出場)はというと以下の通りになる(※アルペングループ調べ)。
(1)アディダス36.2%(76人)
(2)アシックス25.7%(54人)
(3)ナイキ23.3%(49人)
(4)プーマ11.9%(25人)
(5)オン1.4%(3人)
(6)ミズノ0.5%(1人)
(6)ニューバランス0.5%(1人)
(6)ブルックス0.5%(1人)
それでは各ブランドの詳細をチェックしていこう。
ナイキは発売前モデルで1区吉居が快走
まずは首位から陥落したかたちになるナイキだ。前年の42.6%から25.7%まで下落したが、今大会も存在感を発揮した。
ナイキが現在販売中の最高峰レーシングシューズは「アルファフライ 3」と「ヴェイパーフライ 3」というモデルになる。しかし、ナイキは水面下で「ヴェイパーフライ 4」と思われる一般発売前のモデルを一部選手にプッシュしていた。それを着用して快走したのが中大・吉居駿恭(3年)だ。1区の序盤で抜け出すと、そのまま独走。後続に1分32秒差をつけるダントツの区間賞を獲得した。