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偏差値72“北海道No.1進学校”から「まさかのドラフト1位」のナゼ…17年前、楽天に入団“ナゾのドラ1”の正体 指名の瞬間は「球技大会でバスケを…」
posted2025/01/12 11:00
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
JIJI PRESS
「ウィキペディアに載ってる通りっちゃ通りなんですよ」
誰でも編集できるフリー百科事典サイトは、利便性の高さが評価される一方で「事実誤認が多い」とも言われている。
インターネットの海には、ウィキペディアのような真偽不明な情報が無数に存在する。掲示板などはその最たる例で、ひとたび“ターゲット”と認定されてしまえば、匿名ユーザーから格好のネタにされてしまう。
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寺田龍平もそのひとりである。
元プロ野球選手。しかも「ドラフト1位」という金看板を持つ。その寺田が現役を引退して13年が経った今でも、時折、インターネットの住人をざわつかせている。
そのことは当然、本人も知るところだ。
「『なんJ』とかですよね。現役当時はネット掲示板とかは見ていなかったような気がしますね。引退してからですよ、自分が『ナゾのドラ1』とか言われていることに気づいたのは」
自分があずかり知らないところで話題とされるのは、決して気分のいいものではない。しかし、寺田は「嬉しい」と好反応を示す。
「まだ僕のことを話題にしてくれているんだって、ありがたいですよ。世の中のほとんどの人が注目されることってないわけじゃないですか。だから、ぜひぜひって感じで」
ネットで話題「ナゾのドラ1」が誕生した経緯は?
ナゾのドラ1。
そう呼ばれてしまうようになった所以は、寺田の経歴が大きく関係している。
小学2年生から野球を始め、中学時代に所属していた硬式チームの札幌広島グロウィングスでエースを務めていた。野球以上に優れていたのが学業成績で、恵北中では「オール5」が当たり前のような生徒だった寺田は、東京大や京都大の合格者を多数輩出する北海道随一の進学校、札幌南に入学した。