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「もったいないなあ」瀬古さんは若林宏樹の引退にタメ息…箱根駅伝“最強世代”青学大4年、取材記者が見た6人の素顔「原監督が明かしたハプニング」

posted2025/01/10 11:20

 
「もったいないなあ」瀬古さんは若林宏樹の引退にタメ息…箱根駅伝“最強世代”青学大4年、取材記者が見た6人の素顔「原監督が明かしたハプニング」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

青学大・若林宏樹。5区を3度走り、全て総合優勝。写真は1年時、往路優勝後に原監督がねぎらうシーン

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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Nanae Suzuki

在学中、じつに3度の箱根駅伝優勝を経験した“最強世代”青学大4年生。4年間彼らを取材した記者が見た素顔とは?【全2回の前編/後編も公開中】

◆◆◆

「青山学院のファンタスティック・フォー」

 青山学院大の4年生は、入学時から「相当強い」「この学年のリクルーティングではナンバーワン」と言われてきた。

 私は4年前の夏、専門誌の企画で当時1年生だった鶴川正也、太田蒼生、若林宏樹、野村昭夢、4人の座談会の司会をした。

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 なにがすごいかといえば、この4人がそろって最後の箱根駅伝でも仕事をしたことだ。

 ケガによる脱落もなく、4年間のなかでアップダウンがあったにせよ、メンタルも保たれた。

 他校の4年生が必ずしも順調でなかったことを思えば、これは奇跡的なことである。

 まさに「青山学院のファンタスティック・フォー」だ。

【1】鶴川正也「陽キャが“弱気”になった1年前」

 今回、優勝したあとに青学大の面々は日本テレビの『完全密着!箱根駅伝』に中継で出演していたが、それぞれのキャラが際立っていた。

 特に爆発的だったのは鶴川で、「今回はチームで誰がMVPですか?」という質問に、自分を指差したり(自分が中大に離されたおかげで、太田、若林の追い上げが目立ったという論法)、若林にSNSでブロックされていることを明かした(この話題を振られた若林は一連の掛け合いのあと、ため息。その後、めでたくブロックは解除)。

 鶴川は非の打ちどころのない「陽キャ」である。高校時代は東洋大に進んだ石田洸介と世代トップを争い、鳴り物入りで青学大に進学した。

 しかし、3年生まで駅伝で走れたのは3年時の出雲の一本だけ。その後もケガに悩まされ、去年の箱根駅伝が終わった後は、「もう陸上をやめたいと思ったほどでした」と心情を吐露した。

 ただし、鶴川の陽キャ、ポジティブシンキングの姿勢はずば抜けており、4年生になって確変(というより、ようやくポテンシャル発揮)。6月の日本選手権5000mで4位に入り、夏合宿の間には、

「三大駅伝三冠、区間賞3つ、最強の鶴川正也をお見せします!」

 と豪語していた。

「この子、優しいんだな」

 ただし、単なる陽キャというばかりではない。私が取材していると、時に「この子、優しいんだな」と感じることがあった。

【次ページ】 【2】若林宏樹…瀬古氏が「もったいないなあ」

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