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「卒業後は、ひとりで練習するつもりです」あの青学大エースの就職先は? 箱根駅伝“最強世代”青学大4年、取材記者が見た6人の素顔「アナウンサー内定も」

posted2025/01/10 11:21

 
「卒業後は、ひとりで練習するつもりです」あの青学大エースの就職先は? 箱根駅伝“最強世代”青学大4年、取材記者が見た6人の素顔「アナウンサー内定も」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

4年連続箱根駅伝を走った青学大・太田蒼生。写真の1年時から区間2位2回、区間賞2回と強さを見せ続けた

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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Sankei Shimbun

在学中、じつに3度の箱根駅伝優勝を経験した“最強世代”青学大4年生。4年間彼らを取材した記者が見た素顔とは?【全2回の後編/前編も公開中】

◆◆◆

【3】野村昭夢「“堅実なのに”伝説的区間新」

 1年時にキャプテン候補と目されていたのが野村である。

 落ち着いていて、論理的。今回は6区で前人未到の56分台の区間新記録をマークしたが、「1秒たりとも無駄に出来ないのが6区です」と理論的に6区の攻略法を説明してくれたことがある。

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 個人的な感想では、野村の頭脳、論理回路を上回らなければ、彼の区間記録を更新する選手は出てこないと思う。

 野村は、私の記憶では少なくとも2年生からは6区の候補に挙げられていた(ひょっとしたら、1年生の時からだったかもしれない)。その能力を見抜いた原監督の「慧眼」ぶりには驚かされる。

 ただし、2年生の時は下りの練習をして故障した。原監督は「下りの練習をしないで、本番を迎えられんかな。野村だったら57分台出るのに」と話していた。それほど適性があった。

 今回、56分台が出せたのは「4年生になってから継続して練習が出来たからです」と野村は話す。

「プチ故障はありました。それでも、危ないと思ったら、練習の質、量を落とすという勇気を持てたと思います」

 故障に対する「予感センサー」の働きが、野村の場合は敏感。繊細で、論理的だからこそ6区をあれだけのスピードで下れたのだ。

 卒業後も競技継続。

「日本代表とかは目指してないです(笑)。5000mで13分30秒切りは狙いたいですけど、日本選手権で上位争いができたらいいなと思ってます」

 あくまで到達可能な目標を語る堅実さ。堅実なのに、56分台という信じられない記録に挑戦し、実現したところに野村の真骨頂がある。

【4】太田蒼生「ひとりで練習していくつもりです」

 4人のなかで唯一、4度箱根駅伝を走ったのが太田だった。

 1年夏の座談会の時から、太田は全体を観察しているような印象があった。客観的というか、一歩引いているというか、独特の見方をしているというか。

【次ページ】 「ひとりで練習していくつもりです」

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