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「卒業後は、ひとりで練習するつもりです」あの青学大エースの就職先は? 箱根駅伝“最強世代”青学大4年、取材記者が見た6人の素顔「アナウンサー内定も」
posted2025/01/10 11:21
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Sankei Shimbun
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【3】野村昭夢「“堅実なのに”伝説的区間新」
1年時にキャプテン候補と目されていたのが野村である。
落ち着いていて、論理的。今回は6区で前人未到の56分台の区間新記録をマークしたが、「1秒たりとも無駄に出来ないのが6区です」と理論的に6区の攻略法を説明してくれたことがある。
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個人的な感想では、野村の頭脳、論理回路を上回らなければ、彼の区間記録を更新する選手は出てこないと思う。
野村は、私の記憶では少なくとも2年生からは6区の候補に挙げられていた(ひょっとしたら、1年生の時からだったかもしれない)。その能力を見抜いた原監督の「慧眼」ぶりには驚かされる。
ただし、2年生の時は下りの練習をして故障した。原監督は「下りの練習をしないで、本番を迎えられんかな。野村だったら57分台出るのに」と話していた。それほど適性があった。
今回、56分台が出せたのは「4年生になってから継続して練習が出来たからです」と野村は話す。
「プチ故障はありました。それでも、危ないと思ったら、練習の質、量を落とすという勇気を持てたと思います」
故障に対する「予感センサー」の働きが、野村の場合は敏感。繊細で、論理的だからこそ6区をあれだけのスピードで下れたのだ。
卒業後も競技継続。
「日本代表とかは目指してないです(笑)。5000mで13分30秒切りは狙いたいですけど、日本選手権で上位争いができたらいいなと思ってます」
あくまで到達可能な目標を語る堅実さ。堅実なのに、56分台という信じられない記録に挑戦し、実現したところに野村の真骨頂がある。
【4】太田蒼生「ひとりで練習していくつもりです」
4人のなかで唯一、4度箱根駅伝を走ったのが太田だった。
1年夏の座談会の時から、太田は全体を観察しているような印象があった。客観的というか、一歩引いているというか、独特の見方をしているというか。