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箱根駅伝「シューズ勢力図」に異変アリ!? 絶対王者・ナイキの牙城が“8万円超え”爆速シューズで崩され…新興勢力も台頭で「戦国時代」到来!
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph byYuki Suenaga
posted2025/01/13 11:01
厚底シューズ登場以来常にナイキがトップだった着用率に「異変」が! シューズ争いも新時代に突入したのか
プーマとオンが初の区間賞を獲得
今大会はプーマとオンが区間賞を獲得。両ブランドとも初の功績となった。プーマは2022年大会から少しずつシェアを拡大していき、今回は前年の8.7%から11.9%にアップ。そして「ディヴィエイト ニトロ エリート 3 EKIDEN グロー」というモデルを着用した城西大・桜井優我(3年)が9区で区間賞に輝いた。
他にも早大・山口智規、立大・馬場賢人、国学院大・青木瑠郁、東京国際大・菅野裕二郎と今大会を沸かせた各校の3年生エースが着用しており、プーマは来季も非常に楽しみな存在だ。
そして、前回“初出場”となったオンが強烈なインパクトを残した。花の2区では、国内では一般発売していない「Cloudboom 4」を履いた駒大・篠原倖太朗(4年)が1時間06分14秒の区間4位と好走。7区では当日変更で投入された駒大・佐藤圭汰(3年)がさらに爆走した。
スピードキングの爆走で注目の一足
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本格的なトレーニングを再開して2カ月ほどだったが、佐藤は10kmを28分21秒というハイペースで攻め込んでいく。そして区間記録(1時間01分40秒)を1分近くも塗り替える1時間00分43秒という異次元のタイムを叩き出したのだ。トップ青学大との差を一気に2分27秒も短縮して、王者に強烈な一撃をお見舞いした。
佐藤の履いていたシューズは昨夏に登場した「Cloudboom Strike」というモデルになる。超高反発フォームをミッドソールだけでなく、インソールにも搭載しているのが最大の特徴だ。抜群の推進力を誇っていたが、“スピードキング”佐藤が快走したことで、一気に注目を浴びそうだ。
箱根駅伝は国内のランニング市場を占う意味で“大きな舞台”になる。今大会の“結果”から新たなトレンドが生まれるだろう。スポーツブランドの戦いはまだまだ激化していきそうだ。