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「年収は4000万円の選手も…」箱根駅伝“山の神”が率いる新チームの“規格外”…「陸上には稼げる余地が」「来年から本気でニューイヤーを狙う」
posted2025/01/08 17:02
text by
泉秀一Hidekazu Izumi
photograph by
(L)Nanae Suzuki、(R)公式インスタグラムより引用
毎年、元日に開催されるニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)の優勝チームは、今年も含めた過去10年でわずか4つしかない。旭化成(5勝)、トヨタ(2勝)、ホンダ(2勝)、富士通(1勝)がトップを分け合っている。
しかも、2位、3位も大半がこの4社で占められていて、近年はほとんど同じチームで優勝争いが繰り広げられている構図だ。
この4社に共通するのは、売上高が1兆円を軽く超える大企業だという点。ニューイヤー駅伝には、地域密着のスーパーマーケットや大学病院なども出場してきたが、上位に食い込むのは誰もが名前を知る企業がほとんどだ。
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近年、力をつけて上位に食い込んでいるGMOインターネットグループも、時価総額で約3000億円を誇る大企業だ。実業団駅伝の世界では、上記のような潤沢な予算を駅伝に投資できる大企業が強いというのが常識となっている。
知名度に乏しい中堅企業に、勝ち目はない──。この定説を覆そうとしているのが、新たに実業団駅伝に参入するM&Aベストパートナーズ(MABP)だ。
その名の通り、企業の買い手と売り手をマッチングするのが業務で、創業7年目のベンチャー企業。業界でもトップ企業の位置付けではなく、2023年12月に陸上部を新設した。
迎えたのが、神野大地と高木聖也の2人だった。青山学院大学時代に「山の神」として知られた神野は、大学卒業後にコニカミノルタに入社するも約2年でプロランナーに転身した。
6年半のプロ生活で目ぼしい結果は残せなかったが、その経験を買われてMABPの監督兼選手に就任。プロ時代に神野のマネジメント、資金集めを担った高木は、同陸上部のゼネラルマネージャーに就いた。
大企業が上位を独占する実業団駅伝の世界で、神野と高木が率いる新興チームはいかに戦うのか。
年収1000万円はわずか…知られざる陸上選手の懐事情
どんなスポーツでも、強いチームの条件はシンプルだ。勝てるチームには必ず、素晴らしい選手がいる。逆を言えば、どれだけマネジメントが優れていても、力のある選手がいなければ勝利を手にすることはできない。
とりわけ陸上の世界ではその傾向が顕著で、無名のチームや選手が勝利するジャイアントキリングが起きることはほとんどない。