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「なんで…空振りが取れないんだ?」偏差値72“北海道No.1進学校”出身ドラ1投手が受けた“プロの衝撃” 1年上の田中将大は…「全然、レベルが違った」

posted2025/01/12 11:01

 
「なんで…空振りが取れないんだ?」偏差値72“北海道No.1進学校”出身ドラ1投手が受けた“プロの衝撃” 1年上の田中将大は…「全然、レベルが違った」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

2007年に北海道No.1進学校である札幌南高からドラ1で楽天に入団した寺田龍平。プロの世界でぶつかった「壁」とは何だったのか

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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Sankei Shimbun

 ドラフト1位のプロ野球選手から、IT企業を経て、テレビ局の広告営業に――。そんな異例の転身を遂げたのが、いまから17年前に楽天に入団した寺田龍平だ。甲子園とは縁のない北海道No.1の超進学校からプロの世界へと進むことになった“ナゾのドラ1”。その波乱万丈な野球人生を聞いた。《NumberWebインタビュー全3回の2回目/つづきを読む》

 プロ野球のドラフトにおいて“インテリ”は、いつの時代も注目される。

 これまで6人がプロとなった東京大出身者。1996年にオリックスから指名された筑波大のピッチャー・杉本友も「国立大出身者初のドラフト1位」と話題となった。

 そして寺田龍平も、インテリのうちのひとりにカウントされる選手だった。

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 高卒指名ながら北海道随一の進学校として名高い札幌南出身。ましてや、ドラフト1巡目ともなれば好奇の的となる。

「そういう選手って過去にあんまりいないじゃないですか。だから、自分がプロで頑張ることで『勉強も頑張る』みたいな選手が後に続けばいいな、と」

 全国的には無名ながらも185センチの長身から放たれる145キロのストレートは魅力があり、高校3年夏の南北海道大会ではチームのベスト4進出の立役者となっていた。

1年目の春季キャンプでの壁…「空振りがとれない」

 ドラフト指名時に「謎の1位」と周囲から囁かれたからと言っても、寺田には確かな実力と実績があった。

 そんな寺田が疑心暗鬼となったのは、1年目の春季キャンプだったのだという。

 寺田の記憶では、フリーバッティングでピッチャーとして最初に対峙したのは憲史だった。左のロングヒッターと呼ばれる31歳の中堅選手に自慢のストレートを投げ込むも、相手はことごとく打ち返してくる。

 それは、寺田にとって初めてとも言える、いわば屈辱のような体験だった。

「これまでなら絶対に空振りを取れていたボールを当てられたり、カットされたりしたのがすごく衝撃でした。『なんで空振りが取れないんだ?』と思いながら投げてました」

 1年目は一軍での登板はなく、二軍でも2試合の出場に終わった。イースタン・リーグの若手選手による混成チーム「フューチャーズ」の一員として投げる機会はあったが、寺田にとってはプロの壁の高さをまざまざと見せつけられるシーズンとなった。

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