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「勉強していると『バスケをなめてるのか?』と…」40歳になった“公認会計士合格のBリーガー” が語る、かつての日本バスケ界「本当にあった惨状」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by(L)Nanae Suzuki、(R)AFLO
posted2024/10/06 11:00
公認会計士の資格を持ち、選手会の設立にも尽力するなどコート外でも影響力を見せた岡田優介。今季から新天地で戦う彼が見た「かつてのバスケ界」とは?
「人を変えることや他人を動かすことは大変ですから。自分の成長を常に考えてきました。まずは、変えられるところをやっていく。そうやって自分が成長していけば、出会える人の幅や環境とかも変わってくるだろうと」
選手会を立ち上げたという事実だけではない。
例えば、現在は当たり前のように行なわれているBリーグの新人研修。お金の管理の仕方からメディアとの付き合い方など、学生から選手になった人たちが学ぶ機会だ。Bリーグ発足時には、その原型となる全選手対象の研修が泊まりがけで行なわれた。それを提案したのも岡田だった。
そういう積み重ねを経て、日本のバスケ界を取り巻く環境、特に選手の置かれた立場はずいぶん変わったと岡田は感じている。
そんな風に岡田は日本バスケ界が前に進むために、コートの内外で活動してきた選手なのだ。だから、冒頭の彼の悲痛なポストは多くの人の関心と注目を集めたわけだ。
岡田が愛息の存在をSNSで投稿するワケは…?
そんな岡田はいま、SNSを使って一人の父親としてある投稿をずっと続けている。2021年10月26日、愛息が3歳になるタイミングで、Instagramを使ってこんな告白をした。
「3歳になりました。息子の名前、朔玖(さく)といいます。(中略)普段インスタをご覧になられていて勘の良い方はお気付きかもしれませんが、朔玖はまだ言葉が話せません。言葉だけではなく、まだ色々なことが他の子よりも苦手です。他の子が当たり前に出来ることがまだ出来ません。試合会場にいたら誰かに迷惑をかけているかもしれません。(ごめんなさい。)」
そして2022年4月2日。「世界自閉症啓発デー」の日に、愛息のハンディキャップを明かした。「自閉症」と「知的障害」という2つの診断をされていることも公表した。
それ以降は、InstagramやTikTokを中心に多くのアスリートがするような空気感と頻度で、愛息についての発信を続けてきた。
では、岡田が愛息の背負うハンディキャップを公表したのは何故だったのだろうか?
<次回へつづく>