「“きょうだい児”という言葉も初めて知って」初代バスケ選手会長・岡田優介（40歳）が語る障害児育児のリアル「息子のことを公表した理由は…」

現在は2児の父親である岡田選手。長男の朔玖君はハンディを持つが、障害児育児のリアルはどんなものなのだろうか　©Nanae Suzuki

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 「うちの家族も普通に僕の試合を見に来きます。そこでみなさんの迷惑になることもあると思ったので、自分から言ったほうが楽かなと。よくわからない状況で『ギャー』と叫んでいる子がいたら、『うるさいな』と感じるかもしれないですし。

　うちの朔玖のような子は『静かにしていなさい』と言われて我慢できるわけではないと知ってもらえたらなと思っただけです。もちろん、多くの方がそういうことを知れば、社会はさらに優しくなるんじゃないかなという思いも多少はありましたけど」

　岡田優介はそう語る。

愛息のハンディキャップを公表した理由は…？

「自閉スペクトラム症」と「知的障害」。一大決心をしてから息子の2つのハンディキャップを公表した……というわけではなかった。一連の発信は、これまでの人生における行動の延長線上にあった。

「大昔はまだ誰もやっていなかったブログ、その前はmixiでも発信していましたし。僕は『自分はこういう者です。自分の考え方はこうです』と常に情報発信をするスタイルで自分の言葉で伝えてきたので、同じように『自分の家族はこうです』と書いたまでです。朔玖のことは恥ずかしいものでもないし、そういう事実があるという単なるお知らせなので」

　ただ、彼の名前については、明確な意図をもって公表した。

「朔玖が普通の子だったら、『自分で名前を売ってみろ！』と伝えていたはずです。でも、普通の子と同じようにするのはもう無理だなと思ったので。それなら逆に、みんなに朔玖という名前を知ってもらおうかなと。その方がより親しみを持ってもらえるかなと」

岡田選手と朔玖君／本人のInstagramより引用

　そう考えた理由は、岡田が人生を終えるまでに実現しようと考えていることとも関係している。

「親として朔玖の活躍する場を作らないといけない。そのためには、名前も知ってもらえた方が良いと思うんですよ。個人情報の問題はどうなるのかという意見もあるかもしれませんが、個人的には『名前はたいした情報ではない』と思っているので。もちろんその考え方を他の方に強要するつもりは一切ないですが」

　実際、岡田は最近SNSで朔玖君のことを発信するとき、「朔玖ファンのみなさま」という枕詞をつけることもある。これまでの投稿を通して、朔玖君に興味を持ったり、彼の個性を愛でてくれる人が出てきたからだ。

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