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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平の「50盗塁は必然の数字」“盗塁の達人”巨人・鈴木尚広コーチが明かす極意「環境作り」とは…「僕は無人の東京ドームを一周してました」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNanae Suzuki(L)/Hideki Sugiyama(R)
posted2024/09/26 17:03
達人は達人を知る。大谷がパフォーマンスのために行なっているだろう「あること」を鈴木尚広コーチが読み解いた
特にDH制のないセ・リーグでは盗塁企画自体が少なく、盗塁数はパ・リーグ全体の453に対して314。阪神、中日はチーム盗塁数が37と際立って少ないことから、チーム全体の戦術の中で盗塁が果敢な攻撃策というより、リスクの高い作戦として捉えられていることがわかる(数字はいずれも9月25日時点)。鈴木コーチはこの点についても考察する。
NPBは走りにくい時代に
「一つのアウトをどう捉えるのか、そのチームの在り方によって盗塁数は大きく変わっていきます。失敗した時、それを無駄なアウトと考えるのか、あるいは局面をこじ開けてアプローチしていくための布石と考えるのか。それは監督の考え方と、その時の戦力によっても変わってくる。
(セ・リーグトップの)近本選手もグリーンライトというわけではなさそうですから、おそらくサインでしか走ることができないでしょう。特にセ・リーグは将棋のように戦略、戦術を用いてじわりじわりと固めながらいく野球スタイルだと感じています。盗塁という作戦自体がこのまま減っていくかというと決してそうではないと思います。ただ、本当にバッテリーの精度は上がっていますし、色々な要素が加味されて走りにくい状況になっているのは確か。僕はこの時代に生まれなくてよかったな、って思っているぐらいです(笑)」
日本でも、独立リーグでは来季からメジャー式のピッチクロックや牽制ルールなどが導入される動きがある。変わりゆく野球と共に、盗塁はどんな進化を遂げていくのだろうか。
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