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日本代表・敵地バーレーン戦で見たい「絶対に負けられない戦いの“新常識”」とは…先発予想・遠藤航と中山雄太らが重要視する「ベストな選択」
posted2024/09/10 17:19
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
9月10日、バーレーンとのアウェーゲームでようやく“本当の最終予選”が始まる。このタイミングだからこそ、「絶対に負けられない戦い」における新時代のミッションとは何かを考えないといけない。
その前に――興味深い「数字」を紹介する。
以下に、今回の最終予選参加国のFIFAランキングと「Transfermarkt.de」による代表選手の市場評価額を、日本代表の対戦順に記す。カッコ内はそれぞれグループ内における順位で、1ユーロ=158円で換算している。
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日本:18位(1位)、2億7613万ユーロ(436億2854万円、1位)
中国:87位(5位)、1103万ユーロ(17億4274万円、5位)
バーレーン:80位(4位)、910万ユーロ(14億3780万円、6位)
サウジアラビア:56位(3位)、2933万ユーロ(46億3414万円、3位)
オーストラリア:24位(2位)、4323万ユーロ(68億3034万円、2位)
インドネシア:133位(6位)、1673万ユーロ(26億4334万円、4位)
この2つを踏まえれば――成長著しい日本はW杯最終予選史に刻むべき、圧倒的優位なポジションにつけるチームとなった。
バーレーン戦「勝利」以外のミッションとは
周知の通り、26年W杯最終予選(3次予選)の1試合目は終えていて、中国相手に7-0で快勝した。
ただ、本大会出場国が48カ国に増えたおかげで、アジア出場枠が4.5枠→8.5枠と倍近くに。それに伴い、W杯最終予選参加国も12カ国→18カ国へ。日本が叩きのめした中国は、前回大会までのレギュレーションなら最終予選に参加すらできないレベルにあったことを忘れてはいけない。
だから「日本が苦手としている最終予選初戦で大勝した」ことを騒ぐのは、浅はかだ。
確かに、中国戦のパフォーマンスは素晴らしかった。しかし、前回の初戦ではコロナ禍のためホームゲームなのにわずか4853名の観客しかスタジアムに入れなかったが、今回は当時の10倍以上の52398名の前で試合をしたため、日本が力を発揮しやすい状況だった。
「たかが1試合なので。もうあの試合のことは忘れています」
中国戦の前半の2得点に絡んだ堂安律もそう語っている。実に正しい。
では、バーレーン戦での勝利以外のミッションとは何か。
それは、今年1月のアジア杯バーレーン戦で見せた素晴らしい攻撃を、日本にとっては完全アウェーが予想されるバーレーン・ナショナル・スタジアム(3万人収容)で行なわれる一戦で披露することだ。
アジア杯で決めた鮮やかなゴールにヒントが
あらためてアジア杯での先制点を振り返ろう。あれは8人が計19本のパスをつないだ中で毎熊晟矢がシュートを放ち、9人目となる堂安がこぼれた球を押し込んで生まれたものだった。
まるでマンチェスター・シティやペップ・グアルディオラが指揮を執っていた時代のバルセロナのような崩しだった。だから試合直後に、アーセナルで世界最先端の「再現性の高いサッカー」をやっている冨安健洋に、尋ねてみた。
「あれだけのパスをつないで、相手に触られずに決めたゴールは、再現性のある素晴らしいサッカーと言えるのでしょうか?」
冨安の答えはこうだった。