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「日本はサッカー大国だと理解していた」取材記者が“通訳なしで”マリ監督・選手から聞いたホンネ評価「もの凄くフラストレーションを」

posted2024/07/30 19:10

 
「日本はサッカー大国だと理解していた」取材記者が“通訳なしで”マリ監督・選手から聞いたホンネ評価「もの凄くフラストレーションを」<Number Web> photograph by Takuya Nakachi/JMPA

マリの選手と競り合う藤田譲瑠チマ。対戦国から聞いた日本代表のリアル評価は?

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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Takuya Nakachi/JMPA

2試合で決勝トーナメント進出を決めたパリ五輪男子サッカー日本代表。対戦国から見た“リアル評価”はどんなものか。フランス語堪能な日本人記者がフランス語圏であるマリの選手、監督から率直な意見を聞いた。

 U-23日本対U-23マリ戦後のミックスゾーン。すべての選手と監督は、試合後にミックスゾーンを通ることを義務づけられている。東京五輪に続き、ここパリ五輪でも監督の試合前日会見・試合後会見が廃止されたので、監督も選手同様に記者に囲まれる形で質問に答える。通訳なしの質疑応答は、しばしば言葉が大きな壁になる。対戦相手の監督や選手に、質問さえできないことがままあるからだ。

もの凄くフラストレーションを感じた

 まず現れたのは、マリのチェイクナ・ドゥンビアだった。

 後半51分にPKを外し、敗戦の直接の当事者となったセンターフォワードのドゥンビアは、両手で顔を覆いながら足早にミックスゾーンを通り過ぎた。マリの記者をはじめ、誰も彼を止めることができない。

 続いてマリの選手たちが、やはり次々と黙ったまま通り過ぎて行く。とそこにひとりの選手が、突然大きな叫び声をあげて床に倒れ込んだ。迸る感情を抑えきれずに、あふれ出る叫びは、誰一人声をあげることのない空間を引き裂いた。やがておもむろに立ち上がった彼は、冷静さを取り戻して記者の質問に答え始めた。

 選手の名はアーメド・ディオマンデ。右サイドバックとして攻守に存在感を示し、前半終了間際にはロングシュートを放って日本ゴールを脅かした。

 落ち着きを取り戻したとはいえ、ディオマンデの言葉には悔しさが滲み出ていた。

「もの凄くフラストレーションを感じた。少なくとも勝ち点1は獲るべき試合で、敗北に値する試合ではなかった。結果には結びつかなかったが得点のチャンスは数多く作った。効率を欠いたのは残念だがこれもサッカーだ。次の試合に全力を尽くしてリーグを突破したい」

 効率を欠いたのが敗因かという記者の畳みかける質問にはこう答えた。

「そう思う。われわれは前半から自分たちのプレーをした。後半はさらに良くなったが効率を欠いた」

マリの監督が「ちょっと失望した」と語ったワケ

 続いてミックスゾーンに現れたマリのバダラ=アルー・ディアロ監督は試合をこう総括した。

【次ページ】 マリの監督が「ちょっと失望した」と語ったワケ

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