テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「父もショウヘイの大ファン」大谷翔平が1年前の球宴でくれたバットを…対戦相手とロバーツ監督のウラ話「ジョーダンやウッズのようだ」
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byJIJI PRESS
posted2024/07/19 17:01
野球殿堂博物館の企画展に関する記者会見に出席した(左から)ドジャースのロバーツ監督、山本由伸と大谷翔平
「(大谷が)知っているか分からないけど、彼は少し混乱しているようだったけどね。そんな会話だった。もし、大谷が早くグラウンドに現れるなら、彼女のことを大谷に紹介しようと思った。彼女は毎日、新しい日本語を教えてくれる。違う言語を学ぶことは時に大変だから」
取材中に偶然にも谷沢トレーナーが通りかかると、ペルドモは「ヤザワサン!」と大きな声で叫び、谷沢トレーナーも恥ずかしそうに笑った。
実はペルドモと大谷は昨年の球宴でも“絡み”があった。
ナ・リーグのペルドモが、当時エンゼルスの大谷がいるア・リーグのクラブハウスに出向いて「ゲンキデスカ? バットニサインクダサイ」と谷沢トレーナーらから学んだ覚えたての日本語で大谷にサインをおねだり。大谷も笑顔でサインに応じ、サイン入りバットを見事にゲットした。
ペルドモは「バットはドミニカ共和国の実家に飾っているよ。僕の父も翔平の大ファンだから」と嬉しそうに話した。
テオスカーに初めて「ひまわりの種を投げる側」に
この取材が行われていた頃、大谷のファン投票での4年連続のオールスター戦出場が発表された。フィリーズのシュワーバーとの決選投票で63%の票を集め、DH部門で4年連続スタメン出場は、11~13年のデービッド・オルティス(レッドソックス)を抜きメジャー史上初めて。日本選手ではイチロー(マリナーズ)以来の4年連続4度目の先発出場となった。
試合ではファンの期待にいきなり応えた。
1点を先制された直後の初回。先頭の大谷は外角に逃げるシンカーをしぶとく中前に運んだ。
スミスが四球でつなぎ、フリーマンが逆転3ラン。続くテオスカー・ヘルナンデスの2者連続弾の後には恒例の「ひまわりの種セレブレーション」で初めて種を投げる側に回り、破顔一笑した。球宴選出御礼、5日に迎える30歳の誕生日前祝い打となった。
そんな大谷の誕生日を迎えた直後も、名門ドジャースの凄みを目にすることになった。
<つづく>