テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平“ある新ルーティン”とホームラン量産「ショウは“状態が良い”と言ってた」「彼の発案だ」番記者が得た各打撃コーチの重要証言
posted2024/07/12 17:02
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph by
Icon Sportswire/Getty Images
エ軍時代の打撃コーチを見つけて「あ、いた!」
《6月24日 VSホワイトソックス(シカゴ)◯3-0》
昨今の円安、物価高の影響もあり航空券代も高騰しているため、レッドアイ(深夜便)で試合当日朝にシカゴ入りした。
宿泊先のホテルでは事前にスマートフォンでチェックインできるサービスを利用していたが、手違いで1時間ほどチェックインできず、ロビーで仮眠。大リーグ担当記者の日常ではあるが、経費削減と体調管理はバランスが大事だ。
ホワイトソックスの本拠地ギャランティード・レート・フィールドに到着すると、大谷がちょうどキャッチボールを行うタイミングだった。試合前のキャッチボールを終えた大谷は、昨季エンゼルスの打撃コーチだったホワイトソックスのマーカス・テームズ打撃コーチの姿を発見した。
「あ、いた!」
と叫び、小走りで歩み寄った。通訳を交えず、2人だけで談笑。大谷の甲高い笑い声がグラウンドに何度も響き渡った。同コーチには昨季、ベンチでバットに気合を注入してもらったこともある恩人。親しげな様子は変わらなかった。
我々にダメージを与えてほしくないね(笑)
実は昨季エンゼルスを取材したメディアは、日米問わずテームズ打撃コーチと挨拶程度しか話したことがなかった。メディアが殺到したためか、エンゼルスの方針で23年はコーチ取材が原則、禁止されていたからだ。ホワイトソックスにこのルールはもちろんない。テームズ打撃コーチは大谷と別れた後、日本メディアを見つけると、満面の笑みを浮かべて取材に応じた。
「ショウ(大谷)を見るのはいつも楽しいし、今日彼がキャッチボールをしているのを見るのも楽しかった。彼は“状態が良い”と言っていた。彼とこれまでの年月について話すことができて良かった」
3試合連続本塁打中の大谷のことはもちろん警戒していた。