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「私ここにいていいの?」3歳の息子を家族に任せて…セッター岩崎こよみ35歳が踏ん張った1カ月「セナと珠己が本当に頑張っていましたから」
posted2024/06/18 11:04
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Volleyball World
「『ここは大変だな』と思うところに身を置いた時に、自分は成長しているんです」
バレーボール女子日本代表の岩崎こよみ(埼玉上尾メディックス)が、イタリア・セリエAのラルディーニ・フィロットラーノで奮闘していた2018年12月のインタビューで、海外移籍の理由を尋ねた時に聞かせてくれた言葉だ。
例えば、本人曰く「普通の小学生」だった岩崎が名門の成徳学園中学に進学した時、アタッカーからセッターに転向した時、イタリアへの移籍。
そして今、まさにその真っ只中にいる。
「自分がこんなところにいていいのか」
「一緒に実を結ぶことができて、ホッとしました」
日本のパリ五輪出場が決定してから1日経った6月15日、岩崎は、肩の荷が降りたような安堵の表情だった。
“一緒に実を結ぶ”
この表現が一番腑に落ちたようだ。
「3年間、みんながやってきたこと、苦労してきたことが実を結んで、本当に良かったなという気持ちです。このネーションズリーグで(五輪出場の可否が)決まるというそのプレッシャーの中で、コートに立つ機会が多くて、『自分がこんなところにいていいのか』と思うこともあったし、不安もあったんですけど、とりあえずみんなをオリンピックに……なんて言うんですかね、連れていくと言ったらおこがましいし、一緒に運ぶというか、一緒に実を結ぶことができて、ホッとしました」
ネーションズリーグの予選ラウンド全12試合に先発出場し、五輪切符獲得に貢献した岩崎が、「自分がこんなところにいていいのか」という葛藤を抱えていたとは。