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「私ここにいていいの?」3歳の息子を家族に任せて…セッター岩崎こよみ35歳が踏ん張った1カ月「セナと珠己が本当に頑張っていましたから」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byVolleyball World
posted2024/06/18 11:04
パリ五輪出場を決め、安堵したと話したバレーボール女子日本代表・岩崎こよみ(35歳)
予選ラウンド最終戦のアメリカ戦後、主将の古賀紗理那は、昨年よりチームが良くなっていると感じている点について、こう語った。
「サーブが良くなったということと、昨年に比べてコート内の落ち着き、それこそセット後半や20点以降、焦ることが減って、落ち着いてプレーできているなと試合をしていて感じます。そこは昨年よりも成長したのかなと思います」
様々な経験と覚悟を持って日本代表に加わった岩崎のどっしり感も、その“落ち着き”の要因の一つだったに違いない。
「満足することは本当にない」
周囲に安心感をもたらしながらも、セッターとして、課題に向き合い続ける毎日だ。
「3−0でもフルセットでも、勝てば嬉しいんですけど、本当に正解がないというか。セッターとしては“100点の試合”というのはないので。
『今日はこの人を活かせたな』と思っても、『この人はもうちょっと使ってあげたかったな』というのが出てくるし、全員にすべてのトスをいい質で上げられてはいないので、そこは満足することって本当にないですね」
持ち味である高い位置でのセットアップから、バックアタックも絡めてコートの9m幅を最大限に使ったコンビをテンポよく繰り出せていた試合もあれば、コンビにズレが生じた試合もあった。
20日から始まるネーションズリーグ・ファイナルラウンドでは、五輪本番も見据え、さらに精度を求めていく。
攻撃が偏らないようにしながらも、エースの古賀や石川真佑に託すべき場面では託す。そのさじ加減もセッターとしては難しい。
「ブロックを振るというか、1枚とか1.5枚にするというのも大事なんですけど、やっぱりアタッカーを信じて、アタッカーの打ちやすいところに最後託すというのは、(フルセットで敗れた13日の)カナダ戦でも課題だったんですが、この先も必要になってくる。そのバランスですね。難しいんですけど」
それでももう、コートに立つことに迷いはない。