サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「久保建英の脚に大きなテーピング」「バルサ戦奮闘も途中出場のナゼ」芸術アシストの一方で…カメラマンが見た“ソシエダでの懸念”
posted2024/05/18 11:02
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
5月13日、ラ・リーガ35節FCバルセロナ対レアル・ソシエダ戦、ソシエダの久保建英はベンチスタートとなった。
前節ラスパルマス戦から2試合連続、またバルサという格上との対戦でのスタメン落ちであったことから移籍なども含めたさまざまな憶測が流れているが……。
現時点でそれらは、“ただの憶測”としかいえないものだろう。
バルサ戦でのサブ、イマノル監督が語った「理由」
33節対レアル・マドリーとの一戦で久保は、フル出場を遂げている。リーガ優勝が決まり、またCLでは決勝進出も決めている強敵を相手に敗戦したとはいえ、久保は“幻のゴール”だけでなく、数度の決定機も演出した。
残念ながらゴールはVARにより取り消され、また決定機がゴールへ結びつくことはなかったのだが――。
ソシエダの中で突出した実力者であることには疑いの余地がない。ただリーガ序盤に見せた、月間MVPに表彰されるほどの活躍からは遠ざかっているのもまた事実。
では、なぜバルサ戦でベンチスタートとなったのか。
試合後の会見でソシエダ指揮官イマノルは、久保、アンデル・バレネチェアがサブだったことへの質問に対して、このように答えている。
「理由は、すべてが少しずつ」
明確な答えはなく、“すべて”というワードが一人歩きしてしまった感はあるが……。
久保の撮影を続けることで分かることが1つある。34節ラスパルマス戦、サブとしてアップを進める久保の右太もも前には大きなテーピングが貼られていた。プレーをすること自体はできるが、ベストな状態ではなかったことが窺えた。
さらに3月半ばの代表ウィークまで遡ると、その前後でもやはりコンディション面での浮き沈みが見てとれる。28節グラナダ戦では、ハムストリング、背中の不調でベンチ入りするも出場がなかった。その後のW杯予選北朝鮮戦でも、招集はされたものの出場はなかった。
そして代表ウィーク明けのアラベス戦では、前半終了間際に自らピッチへ腰を下ろし、交代を要求する事態となった。
CLやアジア杯などの過密日程と新加入ベッカー
選手層の薄いソシエダは、今季リーガと共に国王杯、CLも同時進行する過密日程に苦しんだ。
久保自身にとって初となるCLの舞台で、グループ首位突破の牽引役となる活躍を見せた。ただしその負担は小さくなく、また欧州サッカーシーズン半ばに行われたアジアカップの影響も少なからずあったはず。
そして冬の移籍市場で獲得したのがシェラード・ベッカーであり、まさにアジアカップでの久保の不在時や、負傷時などのための補強選手だった。