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岡崎慎司が「もう監督信じない」「恐怖症なんです」…いま明かされる、欧州での苦闘 支えとなった「一緒に戦ってくれた家族」「プロジェクトX」
posted2024/05/19 17:00
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
STVV
元日本代表FWの岡崎慎司が、プロサッカー選手として最後の試合に臨んだ。
シントトロイデンのホーム最終戦となるルーヴェン戦で岡崎はCF(センターフォワード)としてスタメン出場。アップのシュート練習では精度の高いシュートを次々にゴールへと決めていく。試合前には通算出場数となる《706》が記されたユニフォームと花束をもらい、ラストマッチのキックオフをした。
「オカザキ」コール
果敢な守備、裏への抜け出し、ゴール前への飛び込み。膝に痛みを抱えながら、必死に体を動かし続ける。山本理仁のフリーキックに頭で合わせる場面もあったし、両チーム選手がもめる輪の中に入って仲裁するシーンもあった。一つ一つのプレーやしぐさにこれまで積み重ねてきたものが宿っている。
後半6分、笛が鳴った。交替ボードに岡崎の番号が掲げられる。両チームの選手がゲートを作り、偉大な選手の最後に花道を作った。審判と両チームの選手それぞれと握手をして、トルステン・フィンク監督とはハグをして、一歩一歩をかみしめながらピッチを後にした。シントトロイデンファンからは大きな「オカザキ」コール。笑顔だった。
岡崎「想像してなかった。相手チームにまでやってもらえて。本当にいい終わり方ができたと思います」
試合後にはサプライズで大型モニターにかつてのチームメイトからのお別れメッセージが映し出された。長友佑都、香川真司、レスター時代の同僚ジェイミー・バーディたちからも。いろんな思いが去来したことだろう。
試合後シャワーを終えてスーツ姿に着替えた岡崎はファンイベントに参加。午後11時を過ぎていたが、100人以上のファンが集まった。日本人だけではなく、地元ファンの姿もある。質問コーナーでは一つ一つに丁寧に答え、参加者それぞれと写真に収まった。にこやかに会話をし、肩を組んで、握手をして。最後の一人が終わった時にはもう12時半を回っていた。