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「久保建英の脚に大きなテーピング」「バルサ戦奮闘も途中出場のナゼ」芸術アシストの一方で…カメラマンが見た“ソシエダでの懸念”
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/05/18 11:02
直近のバレンシア戦でアシストをマークした久保建英。一方でベンチスタートのケースも増えている
ベッカーも加入直後の負傷などがあったが、直近ではゴールやアシスト、得点への関与を含めて調子を上げている。ラスパルマス戦では久保の代わりに出場すると、先制点となるオウンゴールを誘発。さらに追加点も奪う活躍を見せた。
試合自体を勝利していることからも、この選手を次節で先発落ちさせる必要性はなく、久保のフィジカルコンディションも鑑みた上で、正常な競争がチーム内にあり、また補強が上手くいった証左といえる。
久保のコンディション、試合日程を踏まえて…
それらを踏まえてバルサ戦を振り返ってみると――指揮官にとっては主力メンバーのマルティン・スビメンディ、ハビ・ガランを負傷で欠いて格上との勝負に臨まねばならず、EL出場権争い真っ只中のソシエダとして決断した戦術が、5-4-1という守備的なものだった。
「果敢に勝利を目指すのではなく、少なくとも勝ち点1を上乗せしたい」
そんな意図が読み取れるものだった。
久保のコンディション、ベッカーの好調、格上との対戦や残る相手など試合日程の兼ね合い、そしてソシエダの立ち位置。まさに指揮官のコメント通り、それらすべてが少しずつ考慮され、久保はバルサ戦でサブスタートとなったということだろう。
そのソシエダは、ワントップのベッカーと共に、ミケル・オヤルサバル、アルセン・ザハリャンの3人が、攻撃時3バックとなるバルサに対してプレッシャーをかけ続け、バルサの組み立てをノッキングさせた。
また攻撃時には、ベッカーの快足を活かし、際どいゴールシーンを作るところまでは成功させたが……。ゴールを奪えずにいると、バルサGKテア・シュテーゲンより直接低弾道のパスがFWレバンドスキまで通されるなど、徐々にバルサが攻撃色を強める。
そして40分、レバンドフスキ→ギュンドアンと繋げたボールを16歳ラミン・ヤマルが冷静にゴールへ流し込み先制に成功した。
途中出場でも久保はバルサのゴールを脅かした
1点を追いかけるソシエダだったが、メンバー交代のないまま後半に臨む。ただ前半有効だったベッカーの速攻にも、バルサ17歳の新鋭CBパウ・クバルシが順応しチャンスを作れずにいた。
そして迎えた後半25分、イマノルは久保を含む3枚を同時交代し、システム通常時の攻撃的な4-3-3へ変更。右ウイングに入った久保が見せ場を作ったのは、投入直後のことだった。