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スケボー・堀米雄斗のパリ五輪出場にまさかの“黄信号”…「国際大会では絶好調」でも東京五輪金メダリストが五輪予選で苦しむ「意外なワケ」 

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吉田佳央

吉田佳央Yoshio Yoshida

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photograph byYoshio Yoshida/World Skate

posted2024/05/17 17:34

スケボー・堀米雄斗のパリ五輪出場にまさかの“黄信号”…「国際大会では絶好調」でも東京五輪金メダリストが五輪予選で苦しむ「意外なワケ」<Number Web> photograph by Yoshio Yoshida/World Skate

パリ五輪出場に黄信号が灯った堀米雄斗。彼が出場できるかどうかで、スケートボードの国内注目度に大きな差が出てくるが……

 東京五輪では成功した4本中3本がボードの前方を弾くノーリーというトリックから背中側に回るトリックであり、当時は過去に誰もやっていない動きだった。そこを武器に高得点を連発することができたのだが、その後はボードや身体の回転が同じ方向のトリック、いわば得意な動きを連続して行うと得点が低くなる傾向にある。

 近年の各選手のスキル向上により、各々の得意技を応用すれば多くの選手が高得点を狙えるようになった。それならばと採点もバリエーションの豊富さに重きを置くようになったのだ。ランが加点対象になったのも、その流れを汲んだところは否定できないだろう。総合力がモノを言う時代に突入しているのだ。

 だとすれば、そこにいかに新しいトリックを織り交ぜることができるかが金メダルを左右するポイントになるのではないだろうか。その点でいえば、TAMPA PROの堀米は、系統の違うトリックかつ、今まで誰もやっていない組み合わせの2トリックを成功させている。それらを次回の予選や、その先のパリ五輪のベストトリックで出そうとしているのでは――と考えたら言い過ぎだろうか。

堀米の「土壇場での勝負強さ」は折り紙付き

 堀米の強みは目標を決めた時に何をすればいいかを考えられる思考力と実行力だ。東京五輪で見せた通り、土壇場での勝負強さは折り紙付きでもある。

 東京五輪後は映像作品制作に費やしていた時間を、今後はパリ五輪へ向けた調整に使い、120%の力を注いでいくに違いない。現状の把握とやらなければいけない調整が完璧にできさえすれば、彼なら必ず出場権を獲得してくれるだろう。

 どんなに現状が厳しくても、彼の頭の中ではパリ五輪でもう1回メダルをとるために必要なことが計算できているような気がしてならない。そうやって常識を覆してきた姿を、何度も目撃しているのだから。

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