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スケボー・堀米雄斗のパリ五輪出場にまさかの“黄信号”…「国際大会では絶好調」でも東京五輪金メダリストが五輪予選で苦しむ「意外なワケ」 

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吉田佳央

吉田佳央Yoshio Yoshida

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photograph byYoshio Yoshida/World Skate

posted2024/05/17 17:34

スケボー・堀米雄斗のパリ五輪出場にまさかの“黄信号”…「国際大会では絶好調」でも東京五輪金メダリストが五輪予選で苦しむ「意外なワケ」<Number Web> photograph by Yoshio Yoshida/World Skate

パリ五輪出場に黄信号が灯った堀米雄斗。彼が出場できるかどうかで、スケートボードの国内注目度に大きな差が出てくるが……

 そうなると「堀米をパリ五輪で見られないのか」と思うかもしれない。だが、まだ可能性は残っている。現在行われている五輪予選は「フェーズ2」と呼ばれ、これまでと比べ獲得ポイントが大幅にアップしているため、他の日本人選手の結果にもよるが逆転での選出も不可能ではない。

「フェーズ1」で最も得点の高かった昨年末の有明での世界選手権でも優勝得点が80.000点だったのに、今回からはなんと260.000点。8位ですら87.278点なのだ。圏外にいた初代金メダリストが逆転で突破というストーリーは、最高のドラマとなる可能性もある。

 鬼門とされるランさえクリアできれば、現実に成り得る雰囲気もある。先月初旬に開催されたTAMPA PROという伝統と権威あるコンテストで堀米は連覇を果たしているのだが、その中身が凄まじかった。

 今まで出していない新技を組み込んだフルメイクのランで優勝を飾っているだけでなく、これまで誰もやっていない組み合わせの技まで成功させているのだ。ただしTAMPA PROのパークは比較的ベーシックな構成で、日本人の強さが際立つコースでもある。

国際舞台では変わらず活躍…五輪予選への対策は?

 最近はセクション(障害物)を大きくしたり、ギャップ(跳びこえる幅)を作ったりして癖のあるコースにしている傾向がある。そこがオリンピック予選シリーズを行うスケートパークの特徴でもあるといえるだろう。

 ただし、そこは堀米本人も十二分に理解している。次戦までの1カ月は苦手克服の為に綿密な練習を積んでいくに違いない。

 さらにいえば、ベストトリックのカウントが2本になったことに対する対策も、すでに立てているのではないだろうか。

【次ページ】 堀米の「土壇場での勝負強さ」は折り紙付き

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