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[決戦直前インタビュー]ジャスティンミラノ&戸崎圭太「2人でダービージョッキーに」

posted2024/05/16 09:01

 
[決戦直前インタビュー]ジャスティンミラノ&戸崎圭太「2人でダービージョッキーに」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Kiichi Matsumoto

悲劇を越えて、渾身の末脚で掴んだ涙の皐月賞。堂々たる本命として臨むダービーを前にしても、鞍上に気負いはない。亡き藤岡康太が育んだこの馬の力を信じて、ともに頂へ進むだけだ。

 ゴールまで残り200m。戸崎圭太が騎乗するジャスティンミラノは、先に抜け出したジャンタルマンタルに3馬身ほどの差をつけられていた。

 ――まずい、届くだろうか。

 戸崎はそう思いながらも、騎乗馬を支えてきた後輩騎手の力を近くに感じ、渾身のアクションで追いつづけた。それに応え、ジャスティンミラノは猛然と末脚を伸ばす。

 2024年4月14日、中山競馬場。第84回皐月賞の直線でのことだった。

「康太、康太!」

 ジャスティンミラノを管理する友道康夫は、スタンドの調教師席で藤岡康太の名を叫んでいた。

 ジャスティンミラノはゴールまで残り3完歩ほどのところで内のジャンタルマンタルをかわし、外のコスモキュランダの猛追も封じて、勝った。「史上稀に見る大混戦」と言われたクラシック三冠の初戦を、デビューから3連勝で制したのだ。勝ちタイムは1分57秒1のコースレコードだった。

 検量室前に出てきた友道も、友道厩舎のスタッフも泣いていた。下馬して友道と抱き合った戸崎はゴーグルをつけたままで表情は窺えなかったが、涙を隠していたことは、ゴーグルを外して勝利騎手インタビューに応じたときにわかった。

「この馬は、藤岡康太ジョッキーが2週前、1週前と攻め馬をしてくれて、事細かく状態を教えてくれました。康太、ありがとう。お疲れさまでした、と伝えたいです」

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