珠玉の1敗BACK NUMBER
戸崎圭太――痛恨の黒星を重ねて切り開いた新境地。
posted2022/11/02 07:00
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
TCK(TOKYO CITY KEIBA)
第一線で活躍するアスリートは、敗戦から何を学ぶのか――。“負けが常”の競馬において、3年連続最多勝を経験したトップジョッキーが、キャリアの転機となった敗北を語る。
【Defeated Game】
2007年4月18日 大井11R マイルグランプリ(南関東SII)
11着 ナイキアディライト(2番人気)
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負けから学ぶことがある。そう力説するジョッキーがいる。2014年から3年連続でリーディングジョッキーに輝き、今年10月には3年ぶりにJRA年間100勝を達成した戸崎圭太、その人だ。
ジョッキーの世界は敗北が日常である。勝率はリーディングのトップこそ2割台を叩き出すが、いくら名手であってもほとんどが1割台。何鞍騎乗しようとも、勝てない日があることなんてザラだ。