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大谷翔平「176号」が松井秀喜の苦しみと重なった…「ゴロキング」と揶揄されたメジャー1年目に打ち明けた「本塁打を打てなかった本当の理由」 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2024/04/25 17:06

大谷翔平「176号」が松井秀喜の苦しみと重なった…「ゴロキング」と揶揄されたメジャー1年目に打ち明けた「本塁打を打てなかった本当の理由」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

21日にメジャー通算176本塁打を放った大谷翔平。松井秀喜の記録を抜き、日本選手単独最多となった

松井の言葉と重なった、大谷翔平の「176号」ホームラン

 今季、大谷翔平は結果だけを見れば、本塁打がなかなか出なかったり、得点圏打率が低かったりで苦しんでいるように見える。事実、インサイドアウトのバット軌道が美しい彼にしては珍しい、手首の返ってしまった二ゴロに唇を噛む姿も目にした。だが、これには理由がある。それはドジャースにいるからだ。

 ベッツ、大谷、フリーマン、スミスと続くラインナップは敵軍の誰もが「クレイジー」と声を揃える。その中で不動の1番打者ベッツはリーグトップの出塁率.468を誇る。大谷にとっては常にベッツが走者にいる状態で打席を迎え、後ろにはフリーマン、スミスが控える状況だ。この状況で彼が考えることは走者を進める繋ぎの打撃だ。今季、右方向への打球が多い理由はここにあるが、制約のかかった打席が多いとヒッティングポイントが安定しづらくなる。その中で繋ぎを意識した大谷は、両リーグ最多安打を記録している。

 自由に打つことを任された場面では大谷らしい打撃も見せている。逆方向へ運んだツインズ戦の3号とパドレス戦の4号はいずれも走者なし。そんな中、松井越えとなった通算176号の5号本塁打は松井の言葉を思い起こさせた。

 0対0で迎えた3回1死一塁。走者ラックスを進めるために右方向を意識したアプローチが“ホームランになっちゃった”という打撃となった。まだ29歳の大谷が今後、どのような状況で本塁打を積み重ねていくのか。彼のアプローチを意識しながら、その内容を楽しんでいきたい。

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