令和の野球探訪BACK NUMBER
ラップに料理、お笑いまで…! 盛んな“部内部活”に“恋愛推奨”《センバツ出場》中央学院高・相馬幸樹監督(45)が目指す「令和の高校野球」
posted2024/03/20 06:00
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
Yu Takagi
ラップ部、ボイパ部、お笑い部、クッキング部、植物部、英語部、ソウマGYM部。これらは第96回選抜高等学校野球大会(以下、センバツ)に出場している千葉県の中央学院高校硬式野球部の『部内部活』だ。こうしたユニークな手法を利用してチーム作りを進め、甲子園初勝利と上位進出を目指している。
ノリノリのクラブミュージックに乗せてパーカー、ジャージ、サングラスを身につけた選手たちが髪をなびかせて踊る。
場内からはリズムに乗せて拍手が送られ、やりきった後には大きな声援が拍手とともに送られた。さらに、その後にはボイパ部によるボイスパーカッションを利用したアカペラ歌唱が行われ、お笑い部のショートコントで場内は爆笑の渦に。
トリを務めたラップ部は途中でリズムをとり損ねてしまう場面もあったが、微笑ましく見守る保護者や関係者、そして相馬幸樹監督の姿があった。
これらは皆、センバツに向けた中央学院高校野球部後援会による壮行会でのひとコマだ。楽しそうな選手たちの姿とともに印象的なのは「練習の成果」が窺えるクオリティーの高さだ。
野球とは一見、関係ないようだが…?
一見、野球とはまったく関係ない『部内部活』にこれだけの力を入れる理由は何なのか。相馬監督に聞いた。
「“野球だけやっていても上手くならないよ”という思いがありました。それに“野球の上手い・下手で序列作らないで欲しい”という思いもありました。部内の交流が活性化して、オフの日とかに、そのグループで遊んで仲良くなるんじゃないかなって」
昨夏の県5回戦敗退後に始動した新チームでの夏合宿で相馬監督から突如発表されたこの試み。「最初は何を言っているのかさっぱり分からなかった(笑)」(英語部・生駒陽)と選手たちも戸惑ったが、今では大好評だ。