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ラップに料理、お笑いまで…! 盛んな“部内部活”に“恋愛推奨”《センバツ出場》中央学院高・相馬幸樹監督(45)が目指す「令和の高校野球」 

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高木遊

高木遊Yu Takagi

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posted2024/03/20 06:00

ラップに料理、お笑いまで…! 盛んな“部内部活”に“恋愛推奨”《センバツ出場》中央学院高・相馬幸樹監督(45)が目指す「令和の高校野球」<Number Web> photograph by Yu Takagi

中央学院高野球部を率いる相馬幸樹監督。多様な「部内部活」の設立や髪型の自由化、恋愛の推奨など独自の指導を行っている

「野球に集中するだけでなく、楽しく明るくできています」(生駒)

「同学年ではもともと仲が良かったのですが、違う学年の選手たちとの交流がとても増えました」(英語部・中村研心)

「PLチャーハン(※PL学園高校野球部の寮で代々作られていたチャーハン)を超える最強のチャーハンを目指しています。野球以外のことにも本気になれる良い取り組みだと思います」(クッキング部・颯佐心汰)

髪型自由、恋愛推奨、週休2日…独自のスタイル

 もともと中央学院は相馬監督が就任した2007年以降、足を揃えたランニングではなくダンスでのウォーミングアップ、夜遅くまでの練習よりも睡眠時間の確保、髪型の自由化(校則の範囲内)、恋愛自由・推奨(部内恋愛は禁止)など、早くから高校野球界に残る古いしきたりや不要な慣習は排除していた。

 そこにこの代からは、部内部活の発足に加え、11月から1月の期間の「週休2日」導入。強豪校の多くが週休1日としている中で思いきった改革に出た。「選手にとって休養は栄養」と、中身の濃い練習やトレーニングができる日を増やした。

 特にフィジカル強化には力を入れ「どこにも負けないフィジカルモンスター集団になろう」がチームの合言葉だ。野球の技術向上に繋がるのはもちろんのこと、体や数値の変化により目に見えて効果や本気度が分かりやすく、成長のためのシナリオ作りや指導のフィードバックにも利用しやすいメリットもある。

 こうした中で特にソウマGYM部所属(※監督とともにウェイトトレーニングに励む部)で、大型右腕かつ打撃でも期待される蔵並龍之介は順調に数字を伸ばしており「監督は僕たちよりも重いウェイトを上げるので負けてられません」と笑う。

 こうした相馬監督の柔軟な発想や取り組みは現役時代の経験が大きい。

【次ページ】 「苦しむだけが方法なのかな?」

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