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日大アメフト部大麻問題は「僕が指導していたら起こっていない」悪質タックル問題の元監督・内田正人が主張する「学生主体」の落とし穴 

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齋藤裕

齋藤裕Yu Saito

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photograph byYuki Suenaga

posted2024/03/09 17:02

日大アメフト部大麻問題は「僕が指導していたら起こっていない」悪質タックル問題の元監督・内田正人が主張する「学生主体」の落とし穴<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

2024年度は公式戦不参加となった日本大学アメフト部。大麻問題により廃部がきまった古巣の失敗の本質は「間違った学生主体」にあると、元監督は主張する

 間違った学生の自主性とか、学生ファーストが今回の件の引き金じゃないですかね。試合中ケンカみたいになったとか、相手をケガさせたとかなら監督同士の話し合いでなんとかなると思うけど、大麻に限ってはもう警察行くしかないじゃないですか。すぐに警察に突き出せばよかったんですよ。そうすれば、逮捕ということまでにはならなかったと思うんですよ。
 警察に指導してもらえば本人も薬物を辞めるチャンスになったと思います。それが変に自主性とか、学生を守るとかいう方向で動き出して、結局学生の将来をダメにしてしまった。自主性というのもわかるんだけれど、自主性の前にルールだと思うんですよ。

学生の自主性にまかせてばかりでいいのか

――昨年夏の甲子園では慶應義塾高校が優勝しました。あのチームは自主性を打ち出していたように思います。

 競技成績が良い子が揃っていたら、それでもいけるかもしれない。でも、それだったら例えばドラマにもなった『下剋上球児』みたいなチームって生まれないですよ。
 スポーツをやる権利って平等じゃないですか。下手でも頑張って日本一になる門戸を開いておくべきなのに、自主性というスローガンにどの学校も寄っていくことでそれが閉ざされていく方向にあると思っています。将来を約束されたエリートの子はいいかもしれません。でも、一般家庭に育って、まだ下手だけどオリンピックに出たいんだという子もいるわけじゃないですか。そういった子が厳しい指導を受けながらも叩き上げで成長していくというスタイルがなくなり、エリート選手やそういった選手を集めた学校しか勝っていけなくなる。子ども自体の数も少なくなっていって、エリートでできたチームと叩き上げで出来たチームの差がどんどん広がると思いますよ。今回の大麻問題といい、学生の自主性にまかせてばかりでいいのか、そろそろ考え直す時期に来ているんではないか、というのが私の思いです。

「追放その後」編「悪質タックル問題」編とあわせてお読みください>

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