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「ぼくはしあわせだな」白毛馬で史上初GI制覇、ソダシに関わった騎手&厩務員&調教師の証言「男泣きした」「背中をとおして教えてもらいました」
text by
江面弘也Koya Ezura
photograph byKeiji Ishikawa
posted2024/03/08 06:01
ヴィクトリアマイル優勝後、ソダシのもとに集まる須貝尚介調教師、吉田隼人騎手、今浪隆利厩務員
海外挑戦の可能性とコロナ禍
すくなくとも2000mまでは問題のないことを証明したソダシは、その後も順調に調整され、10月17日の秋華賞に向かう。
9月26日、吉田隼人が騎乗するステラヴェローチェが神戸新聞杯に勝ち、須貝尚介厩舎は菊花賞にも本命馬を送り出す。JRAでの通算勝利数は430。勝った重賞は42、うちGIは13を数え、海外GIも制した。厩舎を開業してわずか12年半で、須貝はこれだけの数字を積みあげてきた。
「ここまでやってこれたのは、スタッフが頑張ってくれているから。うちはけっこうきついらしいですけど(笑)」
たしかに、今浪も吉田も「仕事では厳しい先生」と口を揃えた。ただ、吉田は「プライベートでは兄貴分という感じで、ジョッキーのときにかわいがってもらいたかった」と言う。見た目は厳つい55歳だが、話してみると人なつこい須貝は、酒の席では後輩の“いじられ役”にもなるそうだ。
須貝に秋華賞のあとのソダシについてたずねた。白毛のGI馬として海外メディアの関心も高く、取材の依頼もきているそうだが、コロナが落ち着いたら“世界のアイドル”としてデビューしてほしい、とも。
「来年のドバイは考えていますが、馬の状態とオーナーとご相談させていただいてから。香港もこの馬にはいいと思うけど、コロナがあるし……。まずは秋華賞でどんなレースをするか。それから考えます」
ソダシとは「運命的な出会い」
関西に来て3年、吉田隼人は大きく変わろうとしている。昨年は自己最多の91勝をあげ、ことしも68勝(9月30日現在)で全国リーディングの6位にいる。
「GIのプレッシャーも、馬の背中をとおして『大丈夫だよ』って、教えてもらいました。ソダシのような人気馬に乗ってGIを経験できたのは大きい」
ソダシに教えられた――。