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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
森保ジャパンは再び屈辱、ジーコとザック体制でアジア杯優勝したが…「W杯成績とほぼ直結しない」からこそ問われる“次の一手”とは
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Sugiyama/Kiichi Matsumoto
posted2024/02/18 11:00
2011年アジア杯を制したザッケローニ監督と、今大会のアジア杯での森保一監督
96年アジア杯で優勝したサウジアラビアは98年W杯では28位(GS最下位)。07年アジア杯優勝のイラクに至っては、10年W杯はアジア3次予選で敗退している。15年に自国開催のアジア杯で優勝したオーストラリアは、18年W杯で30位(GS最下位)。19年アジア杯で初優勝したカタールは、22年の自国開催のW杯で参加32カ国中最下位に終わっている。
もちろん、ここには「アジアのレベルが世界のトップからはまだ離れている」という厳しい現実がある。となれば、アジアの国がW杯で好成績を残したとき、その前のアジア杯の成績はどうだったのか。
世界的にも“大陸大会とW杯”の関連性は薄い?
アジアで最初にW杯でベスト8に食い込んだのが、66年イングランド大会の北朝鮮だ。しかし、彼らは64年のアジア杯には出場していない。
02年W杯で韓国はアジア勢としては現在まで最高の成績であるベスト4に食い込んだが、00年アジア杯では日本、サウジアラビアに次ぐ3位。10年W杯では日本と韓国がGSを突破した(それぞれ9位、15位)が、07年アジア杯では揃って準決勝で敗退していた。22年大会では、日本が9位、オーストラリアが11位、韓国が16位と史上初めてアジア3カ国がGSを突破したが、19年のアジア杯ではそれぞれ準優勝、準々決勝敗退、準々決勝敗退だった。
つまり、「日本以外のアジアの強豪国にとっても、アジア杯成績とその後のW杯成績はほとんど関係がない」という結論が導かれる。北中米W杯まであと2年あるからこそ、いたずらに悲観することなく、長期的な視野を持って継続的な強化を行なうべきではないか。
その一方で――世界的に見た場合、「各大陸選手権とその直後のW杯」の成績の関連性はどれくらいあるのだろうか。
<つづきは第2回へ>