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“東大史上最速ランナー”秋吉拓真に思う箱根駅伝《学生連合チームの価値》…「専門は機械情報工学、在宅で採点バイト、飛躍の契機は帰宅ラン」 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byAtsushi Hashimoto

posted2024/02/16 11:02

“東大史上最速ランナー”秋吉拓真に思う箱根駅伝《学生連合チームの価値》…「専門は機械情報工学、在宅で採点バイト、飛躍の契機は帰宅ラン」<Number Web> photograph by Atsushi Hashimoto

昨年、長距離種目の東大記録を軒並み塗り替えた秋吉。来季以降の学生連合チームの有無は箱根出場の可能性に大きな影響を与える

「1月の段階で、3カ月分の練習メニューを作ってくれました。1月は無理せずに抑えめでしたが、細かいペース設定も指示されていて、それをしっかりとこなしていく感じです。記録会に対する考え方も変わりました。以前はとにかく試合にばんばん出て、試合と練習を兼ねるような考え方でした。それが楽しかったんですけどね。近藤コーチからは、去年の箱根の予選会が終わってから『5000mと10000m、狙ったレースに絞っていくことも大切だよ』と言われて、11月の2本に照準を合わせたら、実際に5000mでは13分台が出ましたし、10000mでも自己ベストが出ました」

 実業団でも走っていた近藤の経験が、秋吉にどう反映されるのか、楽しみである。

 そして2024年後期のターゲットは当然、箱根駅伝予選会となる。東大としてはここでチームとして向上していることを示すことも大事だが、秋吉としては関東学生連合チームの一員として走ることが高校時代からの夢だ。

学生連合チームの「今後」は…?

 しかし、第100回記念大会では学生連合チームは編成されなかった。

「こればかりは自分ではどうしようもないことなので、知らせを待つしかありません。去年の春、編成されないと聞いても、その時はそこまでの力があると思っていなかったので、あまりショックは受けませんでした。

 学生連合チームの一員として走れるのは一度きりなので、上級生になって力をつけてから走りたいという思いはあります。その意味では今後、学生連合チームが編成されないとしたら……それは残念だなとは思います」

 2025年の第101回大会以降、関東学生連合チームが編成されるのかどうか、それはいまだ不透明だ。

「東京大学が箱根駅伝の予選会を突破して正月にチームとして走るのは現状としては厳しい。ひとつの選択肢として、もしも学生連合チームが編成されるとするなら、僕にとってはチャンスが広がりますし、励みになります。やっぱり箱根駅伝を走りたくて、東大を選んだということもありますし」

 箱根駅伝が彩り豊かな大会として存続していくとするなら、秋吉のようなランナーにも門戸を開いておくことは、大会自体をさらに価値あるものにするのではないか。

【次ページ】 本郷→三鷹台まで18kmの帰宅ジョグ!?

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