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核心にシュートを!BACK NUMBER
「いや、いいんです。いいんですけど」森保監督が記者に視線を送って続けた言葉は…“映像に残らない”アジア杯での生々しい出来事
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/02/14 17:00
バーレーン戦を前にした記者会見での森保一監督。グループステージ後にあった「茶話会」での出来事とは
「もう、それがすごく気になっているんですよ。みなさん、絶対にやると思いますけど。僕がしゃべった事と選手の話した事とを……」
JFAの公式YouTubeチャンネル等で、監督の記者会見の映像を見たことがある人ならば、記者がPCのキーボードを打つ姿やタイピングの音が記憶にあるかもしれない。速報性のニーズに応えるために、監督の言葉を記録するために、それが当たり前の光景になった。
筆者の場合、会見中は監督を見つめている(特に自分が質問をしたときには監督の目から一切視線を外さない)。森保監督は質問に答えるとき、質問した記者の方を見つめ、数秒経つと視線を外し、また数秒すると記者の方を見つめる。それを繰り返す様子を網膜に焼き付けておけば、違和感があるとき、すぐに気づけるのでは――という意図である。
森保監督が視線を外すことはなかった
茶話会の冒頭、森保監督はこちらを見て話していたが、普段とは様子が異なっていた。視線を外すことが“なかった”のだ。「これは自分に向けられているものだな」と判断して、口を開くことにした。
そこからのやり取りの概要は以下の通りだ。なお本稿の趣旨に沿わず、センセーショナルに切り取られかねないようなワードは伏せ字にしたことをあらかじめお断りしておく。
筆者:「辻褄合わせをしているつもりはなかったですが、どういう時に感じるのですか?」
監督:「いや、していると思いますよ」
筆者:「たとえば?」
監督:「監督はこう言ったけど、実は選手はこう言っていたとか……。YouTubeも見ているので(笑)」
会場に温度の低い笑いが起きる。そこで別の記者が“助け舟”を出した。
「監督は動画配信者のなかで頭に来ている人がいるんですか?」
監督:「実は、1回だけしか見ていないです。でも、裏話的なところはみんなしたいじゃないですか。過激な文言や発言を使って、視聴回数等々を(稼ごうとしている)……。それでみなさんが潤っていけばいいと思っているんですけど」
いや、いいんですよ。いいんですけど…
別の記者がまた、口をはさんだ。