- #1
- #2
核心にシュートを!BACK NUMBER
「いや、いいんです。いいんですけど」森保監督が記者に視線を送って続けた言葉は…“映像に残らない”アジア杯での生々しい出来事
posted2024/02/14 17:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
これはサッカーの日本代表監督という公職に就く人と一介の記者との、公の場でのやり取りの記録だ。ただ、切り取られ方によっては、個人間でのやり取りだと見なされる恐れがある。アジアカップの期間中にサッカー以外のことで騒がすようなことはあってはならない。だから、大会期間中にこの記事を出すのは自粛した。大会中に出した方がビュー数を稼げるのかもしれないが、それよりも大切なこと、日本代表がベストの状態で戦うという前提があるからだ。
あれからおよそ2週間、日本代表のアジアカップでの戦いが終わってしまった今、これを読めば、日本代表監督の苦労や苦悩、現状がわかるかもしれない――。
グループリーグ終了後に開かれた「茶話会」
1月25日、日本のグループステージ最終戦が終わった翌日、チームにはオフが与えられた。選手や同行したシェフまで英気を養う時間を手にした一方、コーチ陣は対戦相手や自チームの分析のためにオフを自主的に返上して作業をしたという。
森保一監督は、働くことを選んだ。監督と広報部の提案で、普段の記者会見ではできないような話をする場として、宿泊先のホテルにて茶話会が開かれた。
約束の時間になり、大きなテーブルを囲むように配置された椅子に記者たちが腰を下ろしていく。監督がやってくると、記者たちは一度、席を立ち、監督の前にICレコーダーを置いていく。それを見ながら、監督は少し離れた席にも聞こえるような声で一言、つぶやいた。
監督が何と言ったのかは本稿の大きなテーマなので後ほど触れるとして、そこからのやり取りを記していく。
「やりましょう!」
監督が沈黙をやぶった。そして、広報担当者からアナウンスがあった。
「グループステージも終わったので、そのあたりの話や、会見などであまり聞けない質問等あるかもしれないので、ざっくばらんに……」
それがすごく気になっているんですよ
これに続いて、森保監督が再び口を開いた。
「あのー、僕と選手の言っていることの“辻褄合わせ”はあまり……やめてください」
監督は筆者の方を見ていた。さらに話は続く。