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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「伊東純也とは話をしましたか?」外国人記者の質問に森保監督は…“性加害報道”がアジアカップに与えた影響「選手たちは自らに敗因を求めた」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/02/11 17:01
1月31日のバーレーン戦ではベンチ入りしていた伊東純也。代表チーム離脱が決定したイラン戦前日、森保一監督は記者会見で“本音”を吐露した
「選手はみんなプロフェッショナルで、色々なことが起こってもそれに対応する、そのレベルにある選手たちだと思っています」
試合後の取材エリアで足を止めた選手たちは、自らのプレーに、チームのプレーに、敗因を求めた。伊東の離脱の影響を口にする選手はいなかった。「しっかりと情報を集めて、調査した結果がああいう形になったと。みんなが受け止めて、選手たちも本人も、納得していると思います」という田嶋会長の皮膚感覚は間違っていない。
戦術面で「伊東純也の不在」はどう影響したか
戦術的な視点に立つと、彼の不在に触れたくなる。
伊東を欠いた2列目の右サイドでは、堂安律が先発で起用された。左サイドは前田大然がスタメンで出場し、後半途中から三笘薫がピッチに立った。コマ不足は感じさせなかったが、森保監督は交代カードを1枚残して試合を終えている。もし伊東がいれば、堂安に代えて右サイドで起用する選択肢はあっただろう。
議論を呼んだ3バックへの変更にしても、右ウイングバックに伊東を置けば攻撃へ出ていく姿勢は維持できる。いまとなってはそれも、想像の域を出ないが。
性加害に毅然とした態度で臨むのは、社会の使命と言っていい。その疑惑が浮上したままでは、伊東がチームに残るのは難しかったと言える。JFAが残すのも難しかっただろう。
真実がどこにあるのかを、私たちはまだ知ることができない。司法による判断が下されるまでには、長い時間がかかるとも言われている。憶測や推論によって、当事者への誹謗中傷が飛び交うような状況は健全ではない。
ひとつだけはっきりしているのは、誰も望んでいなかった結果で、今回のアジアカップが終わってしまったということだ。
<前編から続く>