つづく丸山和郁を抑え、マウンドを降りた三上だったが、これがDeNA最後の一軍登板となってしまった。三上は諦念を漂わせ、あのシーンを思い出すように言った。

「あれは大きかったですね……。誰もが認める一発。常に緊張感を持って投げていましたが、一軍のマウンドではもう難しいのかなって感じた瞬間でもありました。コースに投げ切る技術はもちろん、出力も足りていない。不足しているものばかりで、振り返っても勝負できるパフォーマンスではなかったなって」

ポジティブに考えようと思っても考えられない現実

　直後は、どんな思いが胸に去来していたのだろうか。

「悔しさもあったし、哀しさもありました。ポジティブに考えようと思っても考えられない現実。前に進む力がどんどん弱くなっていくように感じました。キャリアの中でいろんな打たれ方をしましたが、自分としてもあれは決定的な出来事だったと思いますね……」

　そしてオフになった10月16日、DeNAから三上と契約延長をしないことが発表された。9年間過ごし、慣れ親しんだ愛すべきチームとの別れだった。

＜続く＞

#2に続く

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