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高校野球「打高投低」は変わるのか?《来春から導入決定》“飛ばないバット”がもたらすもの…中学生の大会では「無得点チームが去年の倍に」

posted2023/12/19 06:05

 
高校野球「打高投低」は変わるのか?《来春から導入決定》“飛ばないバット”がもたらすもの…中学生の大会では「無得点チームが去年の倍に」<Number Web> photograph by Yu Takagi

今年8月のジャイアンツカップで優勝した世田谷西リトルシニアも強打のチームだが、大会で本塁打は出ず

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 高校野球に来春、大きな変革が起きる。金属バットの基準が変わるのだ。春のセンバツ甲子園や各都道府県大会からは、新基準のいわゆる「低反発バット」しか使用ができなくなる。バットの最大直径を64ミリ未満と3ミリ細くし、芯の部分の反発力を抑えたバットで、日本高野連による実験では「従来のバットより打球の初速が約3.6%減少、飛距離も5、6mほど短くなった」とされている。

 かねてより懸念されていた投手の受傷事故防止と「打高投低」と言われる投打のバランスを是正する狙いがある。では、実際どのような変化が予想されるのか。いち早く導入された事例や専門家の意見も交えて考察する。

 今夏、高校野球の1つ手前のカテゴリーである中学硬式野球のジャイアンツカップ(全日本中学野球選手権大会)では、従来よりも反発性能を抑えたバット(大会オフィシャルサプライヤーであるミズノ社製の「イントローグ00」)をチームに提供する形で試験導入された。

 バットの特徴は打球部の金属の厚みを増すことなどにより、反発係数を従来の0.56~0.57程度から0.53程度に抑えたというものだ。

ジャイアンツカップで「飛ばないバット」の影響は顕著

「一番は安全面です。打球速度が上がり重大な事故になりかねないという懸念がありました」 

 大会主催者のひとつである読売新聞の野球事業部・大角直也氏は導入の経緯をそう語る。

 近年はジャイアンツ球場や東京ドームなど、プロ野球でも使用する球場で中学生の本塁打が珍しくなくなるほどの打力の進化は、投手の受傷事故へのリスク増大の裏返しでもあった。ただ、後述するようにメリット・デメリットがあるため、大会前後に中学硬式野球協議会に参加している5リーグ(リトルシニア、ボーイズ、ヤング、ポニー、フレッシュ)の所属チームの指導者にアンケートを取るなど、施策は慎重に進められた。

 今夏のジャイアンツカップで採用されたバットの基準は、高校野球の新基準ほど反発性能を抑えたものではない。にもかかわらず、導入による結果は如実に表れた。1回戦16試合で、無得点に終わったチームは32チーム中8チームと4分の1。昨年は4チームだっただけに倍増となった。さらに、そのうち1対0の試合が5試合もあった。

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