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ラグビー界で流布するアイルランドの“呪い”って知ってる?…世界ランク1位の「超強豪国」がベスト8で“0勝8敗”のナゼ《今回もW杯で敗戦》 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2023/10/17 17:16

ラグビー界で流布するアイルランドの“呪い”って知ってる?…世界ランク1位の「超強豪国」がベスト8で“0勝8敗”のナゼ《今回もW杯で敗戦》<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

今大会での引退を発表していたアイルランドSOのジョニー・セクストン。それだけに懸ける想いも大きかったが… 

 ラグビーW杯で8強進出経験のあるチームは以下の通りだ。

・NZ…10回、うち4強進出9回、優勝3回、準優勝1回
・フランス…10回、うち4強進出6回、準優勝3回
・オーストラリア…9回、うち4強進出6回、優勝2回、準優勝2回
・イングランド…9回、うち4強進出6回、優勝1回、準優勝3回
・南アフリカ…8回、うち4強進出6回、優勝3回
・ウェールズ…7回、うち4強進出3回
・スコットランド…7回、うち4強進出1回
・アルゼンチン…5回、うち4強進出3回
・フィジー…3回、うち4強進出ゼロ
・サモア…2回、うち4強進出ゼロ
・カナダ…1回、うち4強進出ゼロ
・日本…1回、うち4強進出ゼロ

 そしてアイルランドは8回、うち4強進出ゼロ。言い換えれば準々決勝での成績(=決勝トーナメントでの成績)は0勝8敗。準々決勝での負け数8はダントツだ。

 確かにアイルランドは、かつてはNZや南ア、イングランドなどのような、強豪の中の強豪と呼ばれるほどの存在ではなかったが、ワールドカップという大会をいつも盛り上げた。1991年の第2回大会では、地元ダブリンで行われた準々決勝で、この大会で優勝を飾ることになるオーストラリアを相手に大接戦を演じ、終了直前に逆転して満員観衆を熱狂させた(その後、すぐに再逆転されたが)。

「昭和的なラグビー」から変身したアイルランド

 2011年第7回大会ではその因縁の相手オーストラリアを15-6で破り初のプール1位通過を果たす(が、準々決勝では同じ6カ国対抗仲間のウェールズに10-22であっさり敗退)。2015年第8回大会は同組となったフランスを24-9で破ってまたもプールD首位で決勝トーナメントに進んだ(しかし準々決勝ではアルゼンチンに20-43と大敗した)。

 そして今回だ。

 確かに、かつてのアイルランドは「大雑把な」チームだった。代名詞はキック&ラッシュ。歴代のアイルランドの名司令塔はひたすらハイパントを蹴り上げ、屈強なFWを敵陣に突っ込ませ、こぼれ球を拾ったフランカーやセンターの選手がインゴールへなだれ込んでトライをあげた。あるいは密集戦でペナルティーを獲得してはPGで地味に加点する。緻密なサインプレーや連続攻撃は得意じゃないというかほとんどやらない。日本風に言えば昭和的、20世紀のラグビーそのものだった。

【次ページ】 条件はそろっていたが…それでも勝てないW杯の難しさ

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