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ラグビー界で流布するアイルランドの“呪い”って知ってる?…世界ランク1位の「超強豪国」がベスト8で“0勝8敗”のナゼ《今回もW杯で敗戦》 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2023/10/17 17:16

ラグビー界で流布するアイルランドの“呪い”って知ってる?…世界ランク1位の「超強豪国」がベスト8で“0勝8敗”のナゼ《今回もW杯で敗戦》<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

今大会での引退を発表していたアイルランドSOのジョニー・セクストン。それだけに懸ける想いも大きかったが… 

 2003年のオーストラリア大会では、アイルランドがアルゼンチンを破ったアデレードの町で、一軒だけあるアルゼンチン料理の店を緑のジャージーが占拠するという「暴挙」も目撃した。調子にのると止まらない。だけど憎めない。2019年大会では日本にまさかの敗戦を喫しても、彼らは浜松で、静岡で、たくさんの日本サポーターを祝福してくれた。

 もちろんピッチの外だけではない。正確無比なゴールキックで1991年大会の得点王に輝いたSOラルフ・キーズ、これぞリアルロックというハードワークに身体を張り続けたポール・オコンネル、スキンヘッドのゴツい身体でトライを量産したHOキース・ウッド、華麗なステップでミッドフィールドを切り裂いたCTBブライアン・オドリスコル、そして現役の魔術師SOセクストン……世界のラグビーを彩った選手の名前もいくらでもあげられる。エメラルドグリーンのジャージーは、ピッチの中でも外でも、ラグビーワールドカップに欠かせない存在なのだ。

最後の最後まで戦い続けたアイルランド代表

 しかし、今回の負けっぷりは、過去のどの準々負けとも違っていた。緑のジャージーは逆転を信じ、4点を追い、自陣から37ものフェイズを重ね、我慢強くボールを繫ぎ、オールブラックスのゴールを目指して前進し続けた。

 しかし、届かなかった。オールブラックスのディフェンスはあまりにも強すぎたのだ。まったく、相手がこの日のオールブラックスでさえなかったら……。

 最後に「準々負け」のスコアを並べておこう。

1987…●15-33オーストラリア
1991…●18-19オーストラリア
1995…●12-36フランス
2003…●21-43フランス
2011…●10-22ウェールズ
2015…●20-43アルゼンチン
2019…●14-46NZ
2023…●24-28NZ

(※1999は準々決勝プレーオフ敗退。2007はプール戦敗退)

 あきらめなければ、きっといつか、8強の壁を破る日は来るだろう。ジュニアの育成に力を入れ、若手は育っている。そのときは嬉しすぎて、喜び続けて、次の準決勝を戦う(応援する)パワーはなくなってるかもしれない。でもそんな、後先考えずに感情を爆発させるアイリッシュが好きだ。

 でも、できたら「8強の呪い」が効いているうちに、準々決勝で日本代表が対戦して「8強クラブ」を先に卒業したいな……なんて虫の良いことも考えちゃうのである。そのときはアイリッシュサポーターにちゃんとパイントギネスをいっぱい奢らなきゃな。

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